故・藤原マキさん「私の絵日記」が米アイズナー賞に 夫はつげ義春さん、長男「とてもうれしい」

藤原マキ「私の絵日記」（筑摩書房）の書影

　米国の最も権威ある漫画賞のひとつで、〝漫画のアカデミー賞〟とも称される「アイズナー賞」に、漫画家のつげ義春さん（８６）の妻で、１９９９年に死去した藤原マキさんの「私の絵日記」の英訳版が最優秀アジア作品賞に輝いた。同賞の公式サイトでこのほど、発表された。

　同作は夫と子どもとの毎日が綴られ、子どもとの愉快な会話、散歩、初雪など…家族や友人との日常の中で感じるささやかな幸せを愛らしい絵とのびやかな文で描いた。

　長男の正助さん（４８）は「突然のことで驚きました。僕が幼い頃に母が描いていたことは覚えています。とてもうれしいです」と話した。

　１９８２年に出版された同作。正助さんは「幼い頃の僕でも、自分のことが描かれていると、楽しく読んだ記憶があります。今読み返しても懐かしい気持ちになる。母は高校時代に美術部だったので、父から絵を描くことを勧められ、やる気になったそうです」と語った。

　つげ義春、白土三平らの英訳版を発行するカナダの出版社から昨年に発売された。「父と違った優しい絵だと思います。この機会にもっと母の作品が読まれるようになればうれしいです」と話していた。

（よろず～ニュース編集部）