引退した競走馬はどうなる?馬術用への再調教に意外な苦労「愛される馬になるべく」地道に、根気よく
よろず~ニュース / 2024年8月25日 8時30分
幸せな生涯を送れる馬が増えますように
パリ五輪で日本が92年ぶりにメダルを獲得した馬術。選手の技術は勿論、馬の美しさに魅了された人も多いのでは。馬術で使用する馬の多くは、引退した競走馬。成績の低迷などで引退した競走馬は引き取り手が見つからず、行き場がなくなってしまうケースも多いという。そんな引退馬を、馬術などで使用する乗用馬として暮らせるよう、リトレーニングを行っている「特定非営利活動法人サラブリトレーニング・ジャパン」の原田さんに話を聞いた。
――競走馬を、どうやって乗用馬に?
原田:競走馬を引退することが決まれば、引退馬を支援する活動にご賛同いただいた馬主様、調教師様から一般財団法人ホースコミュニティを通じて当施設に連絡が入ります。
そこから、どこでも誰からも愛される馬になるべく、乗用馬としてのリトレーニングが始まります。例えるなら、F1のマシーンをファミリーカーにするイメージ。リトレーニングが修了した馬は年3回、ネットオークションで販売し、乗馬クラブなどに引き取られます。
――リトレーニングで大変なことは?
原田:やはり引退直後は気性が落ち着かず、手がかかります。生まれた時から「少しでも速く」と前方向に向いていた競走馬の意識を、乗用馬では変化させなければいけません。まず人とのコミュニケーションが大事。犬で例えるなら「お座り」「待て」ができる状態を構築します。
更に競走馬では経験しない小回りや、ゆっくりステップの練習も必要です。今までとは筋肉の使い方が全く変わるので、コツコツ練習を積み、段階的に障害を飛び越えるような訓練をします。期間は約6カ月。地道に繰り返し、根気よく、セカンドキャリアへの準備を整えます。
――乗用馬は引退すると、どのような暮らしを?
原田:ゆっくり余生を過ごせる馬は功労馬など一部の馬になりますが、放牧地等で過ごすことになります。馬によっては人とふれあうセラピーホースとして時間を持つこともあります。
――引退馬のその後の観客についての課題は?
原田:馬の生涯を通して、役割を持たせることが課題ですね。「誰かの役に立ち、かわいがられながら、それぞれの馬が充実した人生を送って欲しい。競走馬として生まれてきたけれど、競走馬の役目を終えた馬たちにも『当たり前にある未来』を与えたい」これに尽きます。
◇ ◇
主に競走馬に使われるサラブレッドは、国内で年間7000頭以上が誕生し、5000頭以上が引退するそう。受け皿が少なく、リトレーニングには多額の費用も必要。ふるさと納税制度からサラブリトレーニング・ジャパンを支援することも可能で、詳細はHPに記載されている。幸せな生涯を送る馬が一頭でも増えることを願って止みません。
(よろず~ニュース特約・ゆきほ)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
アイドル馬投票1位「つぶやく競走馬」アフリカンゴールド第2の“馬生”
スポーツ報知 / 2024年8月28日 7時0分
-
引退後の競走馬は 富山市で命支える活動 引退後は「モデル」!?
KNB北日本放送 / 2024年8月26日 19時7分
-
「初老ジャパン」“長老”の旧友が語った“青年”時代の素顔と、92年ぶりのメダル獲得後の電話
週刊女性PRIME / 2024年8月5日 17時0分
-
92年ぶりメダル獲得の“初老ジャパン”が巻き起こした愛称論争。平均年齢41.5歳の4人と愛馬が紡いだ物語
REAL SPORTS / 2024年8月2日 9時58分
-
馬術で92年ぶり、メダルの栄光 伝説の「バロン・ニシ」以来
共同通信 / 2024年7月29日 21時42分
ランキング
-
1鈴木誠也が3試合ぶりの19号本塁打 前夜の4安打の好調ぶりをキープ
スポーツ報知 / 2024年8月28日 8時45分
-
2「1%でも可能性があれば立ち続けようと思った」早田ひなが報告会で涙 左腕ケガで苦悩の五輪を振り返る
日テレNEWS NNN / 2024年8月27日 18時41分
-
3日本ハム新庄監督は続投する?しない? 目下2位と大健闘でも決まらない複雑事情
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月28日 9時6分
-
4【阪神】湯浅京己がリハビリ開始 「右足の感じがすごく軽くて感動」 苦悩とチームメートへの感謝を明かす
スポーツ報知 / 2024年8月27日 16時33分
-
5巨人ドラフト戦略に異変…浅野翔吾が覚醒気配で1位は《右の大砲》から《鳥谷2世》に乗り換え
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月28日 11時11分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください