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“ケンカ最強伝説”の名優・渡瀬恒彦さん生誕80年「映画主人公級の超人スーパーマンだった」23本の特集上映

よろず~ニュース / 2024年11月23日 11時0分

“ケンカ最強伝説”の名優・渡瀬恒彦さん生誕80年「映画主人公級の超人スーパーマンだった」23本の特集上映

俳優として幅広い演技力と存在感を発揮した渡瀬恒彦さん(2011年撮影)

 俳優・渡瀬恒彦さん(2017年死去、享年72)の生誕80年を記念した特集上映が24日から都内の映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」で開催される。トークイベントも行われ、親交の深かったボクシング元WBC世界ライト級王者で俳優、タレントのガッツ石松(75)ら多彩なゲストが渡瀬さんにまつわるエピソードを語る。

 渡瀬さんは1944年、島根県で生まれ、兵庫県の淡路島で育った。早大法学部から広告会社勤務を経て東映入りし、「殺し屋人別帳」(70年、石井輝男監督)で主演俳優デビュー。日活のスターだった兄・渡哲也さんと共に、その後も長年にわたって確かな演技力と存在感を映画やテレビドラマで発揮した。

 同企画は「〈狂犬暴走〉生誕80年 渡瀬恒彦の役者稼業」と題し、12月30日まで開催。「実録 私設銀座警察」(73年、佐藤純彌監督)、「暴走パニック 大激突」(76年、深作欣二監督)、「狂った野獣」(76年、中島貞夫監督)、「時代屋の女房」(83年、森﨑東監督)などの代表作から、俳優の山城新伍さんが監督し、松方弘樹さん、梅宮辰夫さん、千葉真一さん、北大路欣也ら東映実録路線のスターが集結した「せんせい」(89年)、平成初期に社会現象になった童話が原作の「一杯のかけそば」(92年、西河克己監督)といったレア作まで計23作品がラインアップされた。

 学生時代に打ち込んだ空手の実力などから「芸能界ケンカ最強」という伝説でも知られた渡瀬さん。その腕を垣間見せた「極悪拳法」(74年、小沢茂弘監督)で共演したガッツは12月16日に同作上映後にトークショーで登壇する。

 11月24日には俳優・中西良太(「暴走パニック 大激突」)、同30日には俳優・江藤潤(「戦国自衛隊」79年、斎藤光正監督)、12月1日には脚本家・佐伯俊道氏(「不良番長 やらずぶったくり」71年、野田幸男監督)、同15日には脚本家・丸山昇一氏(「化石の荒野」82年、長谷部安春監督)、同27日には俳優・成瀬正孝(「鉄と鉛 STEEL&LEAD」97年、きうちかずひろ監督))、同29日には女優・歌手の橘麻紀(「狂った野獣」)が、それぞれ関わった作品上映後に登場。聞き手は作家・映画監督の山本俊輔氏とライターの佐藤洋笑氏が務める。

 山本氏はよろず~ニュースの取材に対して「渡瀬さんに関する資料を調べたり、生前交流のあった俳優・スタッフの方々のお話をうかがっていると、渡瀬恒彦という人ご本人が、演じている映画の主人公と同じレベルの超人<スーパーマン>だったんだということを実感します。それは代表作の『狂った野獣』『暴走パニック 大激突』などでのすさまじいノースタントアクションや、『実録 私設銀座警察』などでの人智を超えた狂気の演技を観ていただければ、共感していただけるものと思います」と解説した。

 さらに、同氏は上映作について「血気盛んな若い頃に活躍した東映ヤクザ・アクション・格闘技路線作品、演技派俳優としての地位を確立した松竹作品、一世を風靡した角川映画作品、そして『せんせい』『一杯のかけそば』などの、長らく再上映の機会がなかったレア作品など、渡瀬さんの魅力と幅広い功績を網羅できるラインナップを目指しました」と説明。トークショーに向けて「ゲストの皆さんには、渡瀬さんと共演された時のエピソードだけではなく、プライベートの交流の思い出などもうかがいたいです。ガッツさんは『俺なんか恒(つね)さんに比べたら大したことない』と謙そんする発言をされていたので、ぜひ『ケンカ最強伝説』についてもご意見をうかがいたいですね」と予告した。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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