安納サオリ「私をダサくさせるのが岩田美香」年末決戦への思い、スターダム所属1年の心境を吐露
よろず~ニュース / 2024年12月19日 11時40分
会見に臨んだ岩田美香(右)と安納サオリ
女子プロレスラー・安納サオリは年末の大舞台「ジャパンキャンピングカーショー2025 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2024」(12月29日、東京・両国国技館)でセンダイガールズ(仙女)の岩田美香とスペシャルシングルマッチを戦う。17日の会見を「私らしくない。ダサい」と振り返った岩田への思い入れ、今春にフリーから所属選手となった現状について、話を聞いた。
会見で安納は悲壮な決意を口にした。「もう岩田美香と戦いたくない」と切り出すと、昨年末の両国大会でワンダー王者に輝き、岩田とのV4防衛戦で敗れ、以降もシングルを重ねた今年を「岩田美香という存在がどんどん大きくなってきて、私が壊されていく風にしんどい。見てるのもしんどい」と述懐。そして「だからもう終わらせたい。私達の関係を。5回目のシングルマッチ、一番幸せだった場所で一番怖い岩田美香と戦う。この戦いを完結させます」と決意を示した。
安納の対戦要求に応えた岩田から「もう戦いたくねえ?そんなことを伝えるために呼んだのか。私はこれからも安納サオリと向き合っていきたいと思ったから今日来た。今までやってきたことは白紙か?私らが戦って、何も生まれなかったってことか?」と詰め寄られ、「何度も戦ってるからこの感情になってんねん」と即答。岩田が「だったらそんなこと言うな。ダサいこと言うな。オマエがそんな気持ちなら、いいよ、最後にしてやるよ。スターダムの安納サオリ、終わりにしてやるよ」と吐き捨てて退場すると、「自分だってこんな私は嫌や。勝って終わらせる」と改めて心境を明かし、会見を締めくくった。
安納は仙女の2・20仙台大会で岩田と一騎打ちしドロー。スターダムの6・22代々木大会で岩田に敗れ失冠。仙女の7・17後楽園大会でのリターンマッチに勝利して白ベルトを奪還し、センダイガールズワールド王座との2冠王者となった。しかし、スターダムの7・27札幌大会でなつぽいに敗れワンダー王座初防衛に失敗。仙女の9・13仙台大会で岩田に敗れ、センダイガールズワールド王座のベルトも失った。
それから3カ月。なぜ今年5回目の一騎打ちを熱望したのか。会見後に取材に応じた安納は「9月に負けた時、岩田に『ずっと岩田美香だけを見とけ』と言われたんです。見てるとなんかしんどい。岩田が他の選手と戦ってるのを見て、嫉妬もあった」と心情を吐露。同時に6月のワンダー王座陥落の悪夢がいまだ消えないという。「後で取り返すことはできたけれど、あの時の怖さが忘れられない。このまま岩田とはフェードアウトしても良かったんですけどで、私が納得できない」。仙女の11・9新潟大会で里村明衣子と一騎打ちを行った際、会場で岩田の顔が視界に入り今年5回目の対戦を望むようになった。6月の陥落後に激しい気落ちに苦しんだ悪夢も蘇り、払しょくする必要を改めて感じたという。
安納は心の乱れを隠せなかった会見を「私らしくない。ダサい。でも私をダサくさせるのが岩田美香」と総括。また、岩田がスターダムの白川未奈、朱里らと戦った際の気持ちを「正直めっちゃヤキモチしました。私以外と髪の毛をつかみ合うなよ、私以外と熱い試合するなよっていうふうに」と振り返った。因縁の相手だからこそ、思い入れが強まった。会見のダサさも受け入れた。
フリーとして多くの団体で活躍してきた安納は、昨年4月からスターダムに継続参戦。今年4月から所属選手となった。「いまだに『スターダムの安納サオリです』と言うのが慣れないですね」と語る。スターダム所属でありながら、他団体への継続参戦を認める契約内容が話題となったが、それ以降に団体の方針が積極外交へと転換。安納の持ち味がスターダム内で薄まることになった。「すごく嫌でした。もどかしかった。だからこそ他の団体に出ている所属選手にできないことをやってやろう、という新たな目標ができました」。11月の里村明衣子との初シングル、そして12月30日のOZアカデミー・後楽園大会では尾崎魔弓と一騎打ちを行う。注目を集める大物との大一番を実現させた。
所属選手となったことへの感謝もある。「めちゃくちゃありがたい環境ということも感じてます。自分で全部やってきた事務作業、諸連絡を任せられる。ずっと自由にやってきたから、窮屈だと思う時もありました。でも、それ以上にありがたい環境です。派手な演出でリングに向かえる、こういった会見、お仕事の面でもそうです」と語る。
自分のために使える時間が大幅に増えた。「安納サオリをもっと輝かせるために、趣味を増やしています。恥ずかしくてまだ言えませんが、プロレスとは違う世界に触れることで、自分の引き出しが増える。試合、趣味の時間。ずっと忙しいですね」。この時ばかりは普通の女性らしい穏やかな笑みを見せた。
来年でプロレスデビュー10年の節目を迎える。舞台女優から転身し、プロレスを学ぶことで大変だった時期、フリー転身後のコロナ禍による苦境、自身のブランディングに成功した現在。さまざまな過去が思い起こされる。「辞めたいと思ったことも何度もある中で10周年を迎える嬉しさはあります。来年は思いがけないことをしたい」と語った。
だからこそ「モヤモヤしたまま来年に向かうのは絶対に嫌」と岩田戦に視線を向けた安納。6月の陥落後を「自分の思い描いたものとは違っていた。今年の後半は…」と反省する気持ちもある。美女レスラーと話題を集め、グラビアを含む芸能活動にも取り組んできた。「リング上の私は何も変わっていない。もっと世間にプロレスを届けたい気持ちも同じです」。その志を抱きながら、両国での特別な一戦に向かっていく。
(よろず~ニュース・山本 鋼平)
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