大河『べらぼう』横浜流星演じる蔦屋重三郎 知られざる生い立ちと文化爛熟の時代 歴史学者が語る
よろず~ニュース / 2025年1月6日 13時30分
画像はイメージです(Stefan Scheid/Wirestock Creators/stock.adobe.com)
2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」の主人公は蔦屋重三郎で、横浜流星さんが演じます。重三郎は江戸時代中後期に活躍した出版業者です。ドラマでは重三郎は両親に捨てられたように描かれていましたが、彼の生い立ちはどのようなものだったのでしょうか。
重三郎の父は、丸山重助と言い、尾張国(愛知県西部)の人でした。一方、母は広瀬津与で江戸の人です。重助について詳しいことは分かっていませんが、尾張から江戸に出てきて、そこで津与と結ばれたと考えられます。重三郎は江戸の新吉原という特殊な場所(幕府公認の遊郭があった)で生まれていますので、重助は吉原に関わる職に就いていたと推測できるでしょう。
重三郎は通称であり、本名ではありません。重三郎の本名は柯理(からまる)です。重三郎7歳の時には何らかの要因で父母が離婚。重三郎は喜多川氏の養子となります。喜多川氏がどのような人物かは分かっていませんが、商家・蔦屋を経営していたとされます。
さて重三郎が生まれたのは、寛延3年(1750)1月7日です。時は9代将軍・徳川家重の治世でした。重三郎が生まれた翌年(1751)には「米将軍」として有名な8代将軍・徳川吉宗(家重の父)が死去しています。吉宗の時代には、徳川幕府の財政再建を主目的とする「享保の改革」が行われました。しかし、享保の飢饉などの影響もあって改革の成果は限定的であったと今では評価されています。
一方で、天下泰平の世が長く続いていましたので、文化は爛熟していました。戦のない世の中であり、武士は「暇と才能」を持て余していたとされます。武士の中にも文芸に携わる者が出てきます。町人の生活にも余裕が生まれていました。武士と町人が文化的に交流する場も作られていきます。そうした時代には興味深い人物が次々と出てきます。
平賀源内(1728〜1779)もその1人でしょう。源内は高松藩の御蔵番の子として生まれますが、その後、江戸に出て、物産会の開催、エレキテル(摩擦起電機)の修理復元、鉱山の開発、戯作(小説)執筆など様々な分野を横断していきます。文化が爛熟した時代を駆け抜けたのが、蔦屋重三郎だったのです。
◇主要参考・引用文献一覧 ・松木寛『蔦屋重三郎』(講談社、2002)・鈴木俊幸『蔦屋重三郎』(平凡社、2024)・櫻庭由紀子『蔦屋重三郎と粋な男たち!』(内外出版社、2024)
(歴史学者・濱田 浩一郎)
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