咳込みながら無理して勤務…職場の〝やる気〟は周囲の迷惑 感染予防のため、穏便に帰宅させる言葉
よろず~ニュース / 2025年1月12日 13時30分
画像はイメージです(taka/stock.adobe.com)
昨年末の全国のインフルエンザ患者報告が現行の集計方法になった1999年以降で最多となり、年が明けてもさらなる感染拡大が続いている。仕事においても、体調が思わしくない人の出勤を避けることが必要になるが、無理をして職場で働く人に早退を進めたり、休むように伝える場合、その仕事に対して〝やる気〟を示す相手の気持ちも配慮しながら、どのような言葉をかけるべきだろうか。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏がその対応策を提言した。
◇ ◇ ◇
【今回のピンチ】
隣の席の後輩が、さっきから激しくせき込んで、熱もありそうだ。「体調が悪いなら帰った方がいいよ」と言ったが、「いえ、まだ仕事が残っているので」と動こうとしない……。
◆ ◆ ◆
インフルエンザが記録的な勢いで猛威をふるっています。感染するときは感染してしまいますけど、できる予防は小まめにしつつ、防げるリスクは全力で防ぎましょう。
隣の席の若い後輩が、さっきから激しくせき込んだり熱がある様子だったりで、明らかに体調がよくありません。当人も心配ですが、正直なところそれ以上に心配なのが、何らかのウイルスをうつされないかということ。
一刻も早く帰ってほしいのに、本人は「まだ仕事が」と言っています。仕事熱心なのはけっこうですけど、自分や同じオフィスの人間にとってはけっこうなピンチです。どう言えば、さっさと帰ってくれるのか。
本人は苦しい思いをしているだけに、強い口調で「いいから帰れ!うつされちゃ迷惑なんだよ」とストレートに言うのは、たとえツンデレな表現のつもりだとしても、やめた方がいでしょう。後輩はどうでもよくて、自分のことしか考えていないひどい先輩だと思われそうです。
相手は体調が悪くても仕事を続けている自分に、いささか酔っているのかもしれません。帰りやすい雰囲気にしてあげようと「仕事なんてどうにでもなるから」と言うだけでは、目を覚まさないでしょう。むしろ意地になって「いえ、大丈夫です」とか「いえ、これだけは片付けておかないと」と反論して、そのまま居続ける可能性が大です。
ここは、あくまで穏やかに「仕事よりもキミの身体の方が何倍も大事だから、なるべく早くゆっくり休んだほうがいいよ」と言ってみましょう。念入りに相手に寄り添う姿勢を見せれば、「あれ、先輩らしくないな」という違和感が呼び水となって、「あっ、早く帰らせたいのか」とピンと来そうです。
ただ、熱があってヘロヘロな状態だとしたら、当たり前の判断力が失われているかも。もう少しはっきり「今の君にとっていちばん大事な仕事は、一刻も早くお医者さんに行くことだよ」と諭してもいいでしょう。
それでもピンと来ていないようなら「みんなにうつさないうちに」まで言えば、さすがにこちらの真意に気づくはず。「みんな」を前面に出すことで、「自分のことしか考えていないひどい先輩」と思われずに済みます。
読者のみなさんにおかれましては、もし自分がこの後輩の状況になったら、周囲をハラハラさせる前に、さっさと帰りましょう。上司なり同僚なりが「帰った方がいいよ」と言ってきた場合、すでに相手は「おいおい勘弁してくれよ」と苦々しく思っています。
どんな場面でも「みなまで言わない」「みなまで言わせない」という大人の基本を心がけたいところ。そうすれば、ウイルスに対する免疫力のアップは期待できなくても、対人関係における免疫力はアップしそうです。
(コラムニスト・石原 壮一郎)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
夫の実家への正月帰省がツラすぎる…『俺の嫁は家事をしない』悪口を吹聴/義実家・家族人気記事BEST
女子SPA! / 2025年1月12日 8時47分
-
自分の免疫力を過信してる夫の“ありえない行動”でせっかくの正月が台無しに「舐めきってる…」
女子SPA! / 2025年1月8日 8時47分
-
30代独身女性が「帰省キャンセル」して“結婚しろ祭り”を回避したら、正月早々トラブル発生!?
オールアバウト / 2025年1月7日 22時5分
-
満席の新幹線 列車を間違えた老夫婦が自分の指定席に座っていた!席を譲るべきか…識者が考える魔法の言葉
よろず~ニュース / 2024年12月28日 11時0分
-
旧一万円札・福沢諭吉の「人の上に~」以上に味わい深い言葉を発見…2025年の指針にしたい「退かない」生き方
プレジデントオンライン / 2024年12月15日 10時15分
ランキング
-
1睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月11日 18時52分
-
2原宿「意識高い系フードコート」で出会う未知の味 東急「ハラカド」は若者の楽園、だが意外にも…
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 9時20分
-
3老化が加速してしまう!40・50代がやりがちなNG “老け習慣”7つ
つやプラ / 2025年1月12日 12時0分
-
4映画「はたらく細胞」が"和歌山"で撮影されたナゼ ロケ地の人工島に「驚くような光景」が広がっていた
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 10時0分
-
5田沼意次を重用「徳川家治」どんな人物だったのか 大河ドラマ「べらぼう」での描かれ方にも注目
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 13時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください