「侍タイムスリッパー現象」は続くか?京都で時代劇作品を自主制作する監督のDIY精神 3月にDVD発売
よろず~ニュース / 2025年1月22日 11時11分
山田誠二監督の「くノ一必殺シリーズ」で主演した奥田萌々。2003年生まれの新進女優で時代劇を「勉強中」という
映画やテレビドラマでの〝時代劇離れ〟が続く中、自主制作映画「侍タイムスリッパー」のメジャー市場での大ヒットが日本映画界の新たな潮流として注目された。時代劇にこだわる草の根的な動きが今後も高まりそうだが、それ以前から京都を拠点に作品を撮り続ける作家・映画監督の山田誠二氏が、よろず~ニュースの取材に対し、アイデアでやりくりする現場の様子や時代劇への思いを語った。
山田氏は1963年生まれの61歳。物心付いた頃からテレビのブラウン管では時代劇ドラマが当たり前のように放送されていた。小学3年生だった72年9月に放送が始まった必殺シリーズ第1弾「必殺仕掛人」(朝日放送・松竹制作)の第1話に衝撃を受けた。中学生の頃から京都の撮影所に出入りし、中村主水を演じた俳優・藤田まことさん(2010年死去、享年76)とも交流。2000年にプロデュースと脚本を手がけた京極夏彦氏原作の長編映画「京極夏彦・怪」シリーズ(松竹・WOWOW)への藤田さん出演も実現させた。
今年3月には自身が代表を務める京都文映社から、監督と脚本を手がけた「おんな殺し屋 弔お蓮」「仕留屋稼業あさみ」「くノ一必殺シリーズ」の3作品をDVDとしてリリース。配信もされる。
「おんな殺し屋~」は劇団「月蝕歌劇団」の公演にも出演した永野希、アイドルグループ「仮面女子」の月野もあ、山田氏監督作で主演をしてきた女優・奥田萌々らが出演。京極氏が題字を、「必殺」シリーズへの出演や主題歌を歌った西崎緑がナレーションを担当した。
山田氏は「かつて『時代劇の撮影は京都』が当たり前でしたが、昨今、時代劇の制作本数も激減し、撮影も京都に限らなくなってきています。そんな中、本作品は京都で撮影することにこだわった時代劇です。『座頭市』や『木枯し紋次郎』など数々の名作時代劇が京都の情緒豊かで美しいロケーション、雄大な自然を背景とした『旅』ものとして撮影されてきました」と解説した。
一方で「時代劇としては低予算であっても、その金額は現代劇より格段に上がり、金額的には結構な数字になるジレンマがある」という。同氏は「コンスタントに制作するとなると、これまた難儀な話になります。京都で時代劇の制作は東映京都撮影所と、松竹撮影所の2カ所の力を借りないとできないという常識がありますが、その先入観の隙間をくぐり、制作できる方法を、それもコンスタントに…を確立するまでの試行錯誤が一番大変でした」と振り返る。
限られた予算の中、自宅で工夫を凝らした撮影も取り入れた。
リビングに暗幕を張ってスタジオとし、竹林や夜桜、山中の景色を表す飾りを作って別に撮影し、暗幕で撮影した人物の映像と合成。柱や墓などはミニチュアで、床は厚紙に切り込みを入れて着色したもの、壁絵は段ボール紙に絵の具で描いた。園芸用の砂利、彼岸花の造花、不動明王像や石灯籠の合成画像や、書き割り的な青空…。一見チープのようで、独特の幻想的な雰囲気を醸し出している。洞窟の崩落、迫り来る水と炎、爆発といったスペクタクルなシーンはCGではなく、自宅ガレージの特撮スタジオでミニチュアなどを駆使して撮影した。
まさに「DIY」精神に貫かれていた。
同氏は「『時代劇はお金がかかるから無理』という先入観で、大手会社やテレビ局は、企画にすら上げないのがここ数十年の状態ですが、やり方はありますし、それを実行している事が広まれば、時代劇の未来も広がるのではと期待したいです。幸いにも『くノ一必殺シリーズ』はシリーズ11作、『仕留屋稼業あさみ』はシリーズ4作目を製作中です」と手応えを示した。
今後も「京都発の時代劇」にこだわり続ける。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)
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