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「1969年の紅白」NHK放送で〝再発見〟トレンドになった伝説歌手との秘話 今年1月に死去していた

よろず~ニュース / 2025年2月13日 6時50分

「1969年の紅白」NHK放送で〝再発見〟トレンドになった伝説歌手との秘話  今年1月に死去していた

画像はイメージです(FREEDOM/stock.adobe.com)

 1969年(昭和44年)の「第20回NHK紅白歌合戦」が11日にNHK総合テレビで放送され、現在から見ると新鮮に映るシンプルな構成や出場歌手の顔ぶれと歌唱力が反響を呼んだ。その中には、今年1月に91歳で死去したと報じられた歌手のアイ・ジョージさんがおり、その強烈なインパクトからXでトレンドになるなど、令和の時代に〝再発見〟されることになった。映像を見ながら、13年前、本人と酒席を共にした際に垣間見た素顔を振り返った。(文中一部敬称略)

 60年から71年まで12回連続で紅白出場したジョージさん(当時36歳)は、紅組の対戦相手で大ヒット曲「時には母のない子のように」を歌った初出場のカルメン・マキ(当時18歳)に続いて登場。白組司会の坂本九(当時28歳)から「(63年に米ニューヨークの)カーネギー・ホールでリサイタルを開いたのは日本人でこの方だけです。全身これ情熱の塊!」と紹介された。

 ジョージさんは、多くの歌手にカバーされたメキシコの民族舞踏曲「ククルクク・パロマ」をギターの弾き語りによるスペイン語で披露した。歌のモチーフである「鳩(パロマ)」の鳴き声を表現した「ク・ク・ル・ク・ク」の部分でのノンブレス(息つぎなし)の熱唱は圧巻だった。

 その放送に合わせてXでは「アイ・ジョージ」がトレンドになり、ユーザーからは「神がかってる!あの独特の歌い方、今でも忘れられない」「入魂ラテン素晴らしかったです」「ククルクク...で、このまま年が明けそうなほど尺を使うアイ・ジョージさん」「この放送をきっかけにあらためて歌手として再評価されることを祈る」といった声が続いた。

 記者がジョージさんと初対面したのは12年6月、都内の中華料理店。同年7-8月に開催されたロンドン五輪に渡航する〝オリンピックおじさん〟こと五輪応援団長の実業家・山田直稔氏(19年死去、享年92)の壮行会だった。

 案内された回転テーブル席の隣には、白いひげをたくわえ、黄色いアロハシャツにジャケットを羽織ったジョージさん(当時78歳)がいた。日活の清純派女優として知られた芦川いづみと共演した映画「硝子のジョニー 野獣のように見えて」を名画座で観て以来、俳優としての存在も気になっていて、その話を本人に伝えるとご機嫌に。「いい話を聞かせてやる」と耳打ちされた。

 「『ウィ・アー・ザ・ワールド』って知ってるだろ?ああいうのを、俺がやるから」。著名なミュージシャンが一堂に会した「USAフォー・アフリカ」によるチャリティーソングで、85年に世界的な大ヒットとなったシングル曲だ。

 「スティービー・ワンダー、セリーヌ・ディオン…」といった大物アーティストの名を列挙し(09年に死去したマイケル・ジャクソンも候補だったとか)、自作曲を「ウィ・アー・ザ・ワールド」のスタイルで歌って全世界にリリースするという壮大なプランを打ち明けた。

 「でも(実現するのは)大変なんだよ。時間はかかるけど、やるからな。決まったら連絡するから、待っててくれ。それまでは書くなよ。書いたら、お前、東京湾に…(以下自粛)」と念を押された。昭和芸能史にどっぷり浸った海千山千の人だけに、ジョークだったとしても、その言葉には迫力があった。「よし。じゃ、決まったら連絡するからな」。分厚い手のひらでギュッと強い握手をされた。

 どこかで聞いた話だと思った。その後、気になって確認すると、この件で金銭トラブルになっているという週刊誌報道が複数あった。静観するしかない。そのまま時は流れ、連絡が来ることはなかった。

 ただ、その場で感じたのは「もう一度、表舞台に浮上したい」という切実な思いが、老いてなお、その小柄な体にマグマのように渦巻いていたということ。事の真偽はともかく、そんな「熱量」が元スター歌手に残っていたのは事実。56年の時を超えて再放送された「紅白」での熱唱から、あの日の酒席での記憶がよみがえった。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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