【厚生労働省】緊急事態宣言解除も感染者急減の理由は不明
財界オンライン / 2021年10月29日 15時0分
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」が9月末の期限で解除された。コロナ対策の専門家らで構成される基本的対処方針分科会は、政府に対し、「全面解除」が国民に誤ったメッセージにならないよう、情報発信を求めた。
これを受け、政府は飲食店の時間短縮営業など段階的に緩和するなどして、経済活動を徐々に戻す方針。社会・援護局幹部は、宣言下での時短営業などによる雇用情勢の悪化を踏まえ、「非正規雇用の人も働ける場が戻ってきてほしい」と期待を寄せていた。
ただ、いま一つはっきりしないのは、新規感染者数が急減した理由だ。ある政府関係者は「昨年の秋ごろも感染者数は比較的落ち着いていた」と指摘するものの、感染力の強いデルタ株が広がっている中で感染者が減少した要因について、「国民のワクチン接種が進んだのが大きいとは思うが、はっきりしない」と話す。
官房幹部も「行動制限を緩めると、また感染者は増えてくると思う。感染者数の増加幅が許容できる範囲でとどまるのだろうか」と話し、感染再拡大の傾向を注視する考えを示した。
厚労省は10月1日、今後の感染再拡大に備え、都道府県に病床確保計画を見直すよう求める通知を発出。酸素投与が必要な患者らを受け入れる病床の確保や自宅療養者に往診で「抗体カクテル療法」を行う体制の整備を進めてもらう考えだ。
具体的には、1日当たりの新規感染者数が2万5千人を超えた今夏の「第5波」のピーク時を前提に、酸素が必要な中等症患者や重症化リスクがある患者を受け入れるのに必要な病床確保を要請。新たな計画には、速やかな健康観察や自宅療養者への往診強化などについて盛り込んでもらい、遅くとも11月末までの取りまとめを求めている。
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