日本M&Aセンターなど5社が「M&A仲介協会」を設立
財界オンライン / 2021年11月7日 11時30分
中小企業60万社が「黒字倒産の危機」
「中小企業の現状は大変なことになっている。後継者難でも黒字の60万社を救っていかなければ、日本の経済、産業、文化がなくなってしまう」と危機感を示すのは、日本M&Aセンター社長の三宅卓氏。
【関連記事】【日本M&Aセンター会長に聞く】3社に2社が後継者難、事業承継に向け、どう手立てを打っていくか?
2021年10月7日、M&A(企業の合併・買収)業界で初めての自主規制団体「一般社団法人M&A仲介協会」の設立発表会が行われた。協会の設立は10月1日。
設立には日本M&Aセンターの他、同じくM&A仲介を手掛ける上場会社であるストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、オンデック、名南M&Aが参加。
中小企業庁によると、全国の中小企業・小規模事業者のうち、2025年に経営者が70歳を超えるのは245万社。そのうち127万社で後継者が未定だが、その半数の60万社は黒字にも関わらず廃業の危機にある。さらにコロナ禍が、この問題を加速させている。
この問題を受けて中小企業庁は「中小M&A推進計画」を策定。今回のM&A仲介協会設立も、この計画に則ったもので「官民一体となって頑張らないといけない」(三宅氏)。
M&A仲介協会は、法令・制度の啓蒙と遵守、M&A支援人材に対する教育・研修機会の提供、事業承継・M&Aに関する相談窓口の運営を行っていく。
「業界全体の業務品質を向上させ、『正のサイクル』をつくっていくことが地方創生にもつながる」と三宅氏。M&Aで事業が存続したり、成長が実現し「やってよかった」と思う経営者の数が増えることが、好循環につながるという考え方。
協会としては年内で活動内容の詳細を詰め、来年1月から地方銀行、信用金庫など地域金融機関などを対象に会員を募集していく方針だ。
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