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【テスラ】入手可能な半導体向けにソフトウエアを書き換え 第3四半期で過去最高の実績

財界オンライン / 2021年11月12日 11時30分

販売台数を伸ばしたテスラ(写真は東京・青山のショールーム)

電気自動車(EV)の米・テスラがコントローラーの制御で半導体不足を乗り越えている。

 同社の2021年7―9月期決算では、売上高は前年同期比の1・6倍に当たる約1兆5700億円、純利益は4・9倍の約1900億円)と共に四半期として過去最高を更新した。販売したEVは約24万台で前年同期から73%増だ。このうち中国での生産台数が13・3万台と米工場を上回る規模になった。テスラは「EVの需要は構造的なシフトを続けている」と手応えをにじませている。

 テスラは半導体を巡る供給網の混乱で「例に見ないほど難しい」状況だったとしながらも、調達や生産部門で対応して乗り切ったという。どういうことか。同社によれば、不足した半導体とは別の半導体を調達し、テスラの車体で動作するようにファームウェア(様々な機器に内蔵されている制御のためのソフトウエア)を書き換えたという。

 通常、Aという半導体を使用するコントローラーしかない場合、その半導体Aが入手困難になるとコントローラーはもちろん、それを組み込むクルマも生産できない。しかし、別の半導体Bが入手できる見込みが立ち、それを使うコントローラーでも同じ機能や性能を維持できれば、クルマの生産は止まらない。そのようなバリエーションを多く持てば持つほど、「完全ではなくてもリスク軽減にはなる」(自動車に詳しい専門家)

 テスラでは同社の開発チームが19種類に上る新たなコントローラーを用意した。通常であれば、コントローラーのモジュールは1つずつ設計すればいいところ、あえてバリエーションを19も加えたわけだ。「それだけソフトウエアに長けた人材が数多くいるということだろう」とアナリストは指摘する。

 もちろん、年間販売台数が100万台規模(今期見通し)と少ないから対応できたという見方もある。だが、国内自動車メーカーが通期で計130万台超の減産に達すると見込まれる中、テスラは時価総額が一時1兆㌦(約113兆円、11月上旬時点)を初めて突破。既存の自動車メーカーとは一線を画すテスラ独自の発想がキラリと光った格好となった。

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