『日本電産』永守重信の「2025年はEV普及の分水嶺」
財界オンライン / 2021年11月19日 7時0分
自動車業界に100年に一度の大変革の波が押し寄せる中
2030年に売上高10兆円を目標に掲げる日本電産。同社が重点2事業に据えるのが、車載と家電・商業・産業用のモーター。足元では省エネに貢献する後者のモーターが好調だったが、中長期的な成長エンジンに据えるのは前者の車載用モーター。中でも、同社が社運をかけて投資を続けるのが、トラクションモーターシステム『E-Axle(イーアクスル)』だ。
トラクションモーターとは、電気自動車(EV)などの駆動力を発生させる中核部品のこと。世界的な脱炭素化や環境意識の高まりもあって、EV市場が拡大。同モーターへの需要も急増しており、同社にとって追い風となっている。
同社では2025年がEV普及への分水嶺になると考え、準備を進めてきた。すでに中国や東欧のセルビア、そして北米に新工場を建設する予定。
日本電産会長の永守重信氏は「重要な機械は内製化し、自分たちでつくる。モーター関係でこれだけの投資をし、世界の中で競争に打ち勝っていく体制をつくっている会社はうちしかない。車は先行きの長い産業であり、必ず大成功するという確信をもって道を歩んでいる」と意欲的だ。
現在、自動車業界では100年に一度といわれる技術革新の波が訪れている。電動化や自動運転化はその代表例であり、欧米の自動車メーカーや中国の新興メーカーが、こぞってEV開発にしのぎを削っている。
米テスラなど、EV専業メーカーが台頭する海外に対して、日本勢はEV開発に遅れをとっているのが現状。日本を代表するトヨタ自動車は、EVに加え、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の”全方位戦略”を展開している。
テスラは10月25日に初めて時価総額が1兆㌦(約110兆円)を超えた。テスラの世界販売台数は年間約50万台。トヨタは約950万台だが、時価総額は約33兆円。市場評価では、テスラに大きな差を付けられているのが現状だ。
そうした中、永守氏は「中国では100万円以下、50万円以下の小型EV開発が急ピッチで進んでいる。HVは日本が生んだ素晴らしい車だと思うが、世界で見ればHVは勝てない。アフリカや南米など、世界中で車を欲しい人は約5億人いる。そういう人たちが買える車は50万円とか、そういう値段になる。技術革新が起きたら価格競争になるのは当然。われわれはそういう時代を見据えて、先手、先手で手を打ってきた」と指摘。
今後、世界のエコカー開発の行方がどうなるかは不明だが、EVに社運をかける永守氏の熱意が伝わってくる。
日本電産がセルビアに新工場 10年で2千億円投資
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