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【国土交通省】衆院選でも各党が論点に、空き家対策は前進するか

財界オンライン / 2021年11月30日 11時30分

写真はイメージ

先の衆院選では各党の公約に空き家対策が盛り込まれ、論点の一つとなった。2018年時点の国土交通省集計によると、国内の総住宅数6241万戸のうち空き家は849万戸と約7分の1を占める。「ウサギ小屋」と揶揄される狭い物件が少なくない一方で、多くの空き家が放置されている現状には矛盾を感じざるを得ない。選挙の洗礼を経た岸田文雄政権は状況を改善できるだろうか。

 衆院選の公約では最大野党の立憲民主党が、各地の空き家を借り上げて安価に入居できる「みなし公営住宅」の整備を明記。与党の自民党も、空き家や公営住宅を活用して地方移転希望者を受け入れる政策を掲げた。空き家の有効活用が、与野党を問わず重要な課題となっている現状が浮き彫りとなった形だ。

 空き家849万戸のうち、賃貸用や売却用を除くと349万戸。この件数は過去20年間で1.9倍に拡大しており、今後も人口減少に伴って増え続けることが予想される。

 政府は2015年施行の空き家対策特別措置法を活用し、地方自治体による有害な空き家を撤去。管理状況が良好な物件は民間企業の協力も得て改修し、シェアハウスなどとして活用する取り組みを進めている。

 政府が今年3月に閣議決定した計画では、18年に349万戸だった居住目的のない空き家の件数を30年に400万戸程度に抑えることを目標としている。現在の対策が効果を発揮しても、空き家の増加ペースを遅らせるにとどまり、減少させるには至らない公算が大きい。

 国交省の担当者は「既にある対策を地道に進めることが基本だ」と話し、事態を抜本的に改善することは難しいとの見方を示す。

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