みずほFG3首脳が総退陣へ、金融庁の責任も問われる
財界オンライン / 2021年12月10日 15時0分
「痛恨の極み。再発防止策を確実に根付かせる必要があり、最後の最後まで全力を尽くし、次世代にバトンを渡していく」と話すのは、みずほフィナンシャルグループ社長の坂井辰史氏。
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11月26日に金融庁から銀行法に基づく2度目の業務改善命令を受け、みずほFG社長の坂井辰史氏、みずほ銀行頭取の藤原弘治氏が2022年4月1日付で引責辞任する。藤原氏の後任には当初発表通り、副頭取の加藤勝彦氏が昇格。
また、坂井氏の前任社長である会長の佐藤康博氏も22年4月で退任し、6月には取締役からも退くなど、首脳陣総入れ替えで立て直しを目指す。
だが、02年、11年と2度の大規模システム障害を起こして再発防止、企業風土改革を打ち出してきたものの、これまで果たせていない。しかも、今回はFG社長人事が「白紙」という緊急事態。
金融庁は、坂井氏ら経営陣が「システムを軽視しているのではないか」と見た。構造改革の中で、基幹システム「MINORI」が本格稼働後に運用部隊を6割削減。また、システム部門トップに企画・人事畑の〝門外漢〟である石井哲氏を据えた人事も〝失策〟と捉えられた。
21年9月の外国為替取引に関わるシステム障害時の海外送金が外為法違反となったことは決定打。これにより財務省から是正措置命令を受ける事態に。
みずほでは旧3行の主導権争いが長く展開されたことに加え、今回の「MINORI」では4社のベンダーが開発に携わったことでシステム構成も、運用も複雑化したことが障害の原因になっているという見方が強い。
次の焦点はFG社長人事。社外取締役で構成する指名委員会での議論となるが、社内ではFG副社長の今井誠司氏(86年旧第一勧銀)、FG執行役常務の猪俣尚志氏(90年旧富士銀)らの名前が取り沙汰されている他、オリエントコーポレーション社長の飯盛徹夫氏(84年旧富士銀)らOBを呼び戻す案も浮上。外部トップの招聘案まで出ている。
みずほの責任は重いが、過去の不祥事に対応したみずほの経営改革は、いずれも金融庁が主導したのも事実。ガバナンスを正せなかった当局の責任も重い。
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