【小田急】50円均一の小児運賃 鉄道会社による需要喚起策
財界オンライン / 2021年12月13日 18時0分
様々な企業が値上げに動く中、新たな外出需要の創出を狙う施策を講じるのが鉄道だ。
「親子で出かけてもらうきっかけにしたい」と小田急電鉄関係者。同社は2022年春から小児運賃を「全区間一律50円」にする。
鉄道運賃と言えば、6歳以上12歳未満(小学生)の場合は半額となるが、小田急のように一律運賃にするケースは珍しい。同社の場合、新宿―小田原間の運賃(交通系ICカードを使った場合)は大人が891円で小児運賃は半額の445円だが、これが50円に引き下げられる。
「小田急沿線も少子高齢化の波を受け、沿線人口約520万人から減っていく。小さい頃から住み続けてもらうためにも、子育てに関する抜本的な施策の展開が求められていた」(同)
小田急では「子育て応援ポリシー」を策定。具体策として、子供が楽しめるイベントや駅への子供専用トイレの設置、車内へのベビーカースペースの拡充などを展開。19年からは1日全線フリー乗車券を通常の1000円から大幅に値下げして100円で期間限定発売していた。
ここでの経験が今回の値下げにつながる。この時の調査では、運賃を下げたことで子供1人に少なくとも大人1人が小田急線を利用。7割弱の人がフリー切符を100円にしたことがきっかけで外出したことが分かった。更に外出した人のうち9割以上の人が沿線で買い物をし、7割弱が小田急の施設を利用していることも分かった。
当然ながら運賃を下げれば減収を招く。小田急の場合は年間2・5億円程度と見込む。ただ、同社の運輸収入は810億円(21年3月期)のため影響度合いは少ない。その上、家に閉じこもらず、子供の外出に合わせて大人も外出し、同社の施設で買い物などの消費をしてくれれば、グループ内で減収分を取り返せるという算段がある。
ただ、鉄道業界では「良いものは真似される。先行者利益は多くない」(私鉄首脳)という側面もある。追随する鉄道会社も出てくると見られ、利用者にとっては外出の後押しにつながるだけに、小田急の取り組みは鉄道業界に一石を投じている。
南町田や武蔵小杉などで官民連携 「域内移動」を創出する【東急】の郊外再活性化策
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