「まだまだLNGは必要」 JERAが豪ガス田の権益取得
財界オンライン / 2021年12月22日 11時30分
東京電力と中部電力の共同出資会社・JERAが、LNG(液化天然ガス)の安定的な確保に向け、豪州・バロッサガス田の権益を取得する。2022年3月までに豪資源開発大手のサントスから天然ガス田の権益12・5%を取得、取得金額は開発費を含めて3億ドル(340億円)程度となる見通しだ。
「LNGは化石燃料の中で最もCO2(二酸化炭素)排出量が少なく、エネルギー・トランジション(移行)の中で、まだまだLNGは必要なものだと考えている。本プロジェクトは、既存設備が活用できることから、 開発リスクが極めて小さいということから、投資に踏み切った」と語るのは、JERA事業開発本部副本部長の高木学氏。
JERAは2003年から豪州のダーウィンLNGプロジェクトに参画。2006年から約15年間、天然ガスを生産してきたが、既存のガス田が数年以内に生産終了を迎える見込みで、後継となるガス田開発を進めていた。
バロッサガス田は、豪州北部準州沖合に位置するガス田で、ダーウィンプロジェクトの液化プラントやLNGタンクなどの設備を有効活用できる。2025年頃の生産開始を見込んでおり、LNGの年間生産量は340万トン。JERAはこのうち年間42・5万トンのLNGを引き取る計画だ。
国内発電電力量の約3割を占め、LNGの取扱量は世界最大級というJERA。同社は石炭に比べてCO2排出量がおよそ半分になる天然ガスを導入し、”低炭素化”に貢献してきた。しかし、天然ガスはどうしてもCO2を排出する。世界中で”脱炭素化”の流れが加速している今、同社の危機感は強い。
それでも、高木氏は「当面、日本もLNGは必要だし、今まで石炭に頼っていたアジア諸国は、これからLNGを導入してガス火力にどんどん置き換えていく。世界中で再生可能エネルギーの導入が進んでいるが、化石燃料がこれら全てに置き換わるにはまだまだ時間がかかるだろう」と指摘する。
脱炭素とエネルギーの安定供給という2つの使命をどう果たしていくか。移行期のあり方を模索するJERAである。
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