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『アパレル最前線』ジーユー・柚木治が手掛ける「ジェンダーレス・エイジレス」戦略

財界オンライン / 2021年12月24日 7時0分

ジーユー2022春夏事業戦略発表会から

ジェンダーレスへの対応急ぐファッション業界

「メンズ商品を買う若い女性の比率がものすごく増えている。中にはメンズ商品なのに購入者の半分以上が女性という商品もある。一方、男性が女性商品を購入する比率はまだまだ少ないが、それでも増えてはいる。今後は双方それぞれの比率が増えていくと考えている」

 こう語るのは、ファーストリテイリング傘下、ジーユー(GU)社長の柚木治氏。

 GUが2022年春夏シーズンに向けて、性別や年齢を問わないジェンダーレス・エイジレス商品の強化に乗り出している。近年は若い女性がメンズ商品を着用するケースが増えていることや、LGBT(性的少数者)など多様な消費者に対応するための商品づくりが求められるようになったからだ。

 すでに店頭のマネキンは、女性が男性アイテムを、男性が女性アイテムを着たりしていて、男性・女性を問わずに様々な商品を選べるようにと、XSからXXL、3XLとサイズの選択肢を増やしている。

 こうした傾向について、柚木氏は「まずは楽だということと、ちょっと大きめを着ること自体がオシャレであるというのが一つ。もう一つは、女性は女性らしくとか、ステレオタイプ的な概念が緩くなって、より自由な発想になっているのだと思う」と話す。

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消費者の財布のひもは固いが…

 近年、ファッション業界ではジェンダーレスへの対応を急ぐ。男性でもメークをしたり、身だしなみにお金をかける人たちが増えているが、9月には三陽商会が男性女性を問わず様々な方が着ることができるニットやスウェットなどを発売、良品計画も男女兼用のシャツやパンツを販売している。

 国内のファッション業界を取り巻く環境は厳しい。日本は人口減少時代に入り、少子高齢化で市場は縮小傾向。コロナ前からアパレル不況が続き、コロナの長期化がより一層拍車をかけている。オンワードや青山は赤字が続き、レナウンはすでに破産した。

 GUの柚木氏は「引き続き、消費者の財布のひもは固いと考えているが、コロナからの回復に応じて、ファッションを再び楽しみたいという機運が盛り上がっているので、ファッション以外を含めた消費は徐々に盛り上がってくると思う」と指摘。

 一方で、「だからといって、一気に楽観的になるものではない。世の中どうなるか分からないという不透明さはあるので、着回しがきいて、いろいろな組み合わせができ、いろいろなシーンで使うことができる、結果的にお得感を感じることができるような商品が求められるのだと思う」と語る。

 着回しがきき、使い勝手が良い商品づくりという意味合いもあって、ジェンダーレス・エイジレス商品の強化に乗り出したGU。消費者の嗜好やライフスタイルが変化する中、新たな需要を掘り起こすことはできるか。

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