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SBIの新生銀へのTOB成立、公的資金返済が大きな課題に

財界オンライン / 2021年12月22日 10時0分

北尾吉孝・SBIホールディングス社長

「銀行持ち株会社」の申請が一つの焦点
 どのように公的資金を返済していくか─。

【あわせて読みたい】SBI・北尾吉孝が新生銀行獲得で背負った『プラス・マイナスの両面』

 2021年12月11日、SBIホールディングス(北尾吉孝社長)は新生銀行へのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。保有比率は47.8%で、12月17日に新生銀行は連結子会社となった。

 一時は敵対的TOBに発展すると見られていたが、ギリギリのタイミングで回避され、友好的TOBとなった。1株2000円で取得額は1138億円。22年2月を目処に臨時株主総会を開催し、社長にSBI HD副社長の川島克哉氏、会長の元金融庁長官の五味廣文氏が選任される見通し。

 焦点はSBIの成長戦略と新生銀行に残る公的資金3500億円の返済に移る。買い付け上限を48%にとどめたのは、50%を超えると「銀行持ち株会社」として銀行法の規制を受け、SBIが展開するバイオ関連事業などが行えなくなる他、申請後の認可に時間がかかるから。

 SBIは、年内の銀行持ち株会社申請は否定したものの、新生銀行の企業価値向上の道筋が付いた段階で、銀行持ち株会社認可を取得し、「過半数以上の株式取得を検討する考え」と表明。

 SBI HDの傘下にある「SBI地銀ホールディングス」を銀行持ち株会社として申請する可能性が高い。

 だが、新生銀行に注入された公的資金は普通株に転換されており、1株当たり7450円が必要。足元の株価2000円前後からすると3.7倍に高める必要がありハードルが高い。

 その意味で、今後SBIと国とで新生銀株の大半を取得した上で非上場化し、市場価格と切り離した形で返済する方法しか道がないとも見られている。

 再生策を秘かに練っている北尾氏だが、今後、どのような戦略を打ち出すのか。

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