どうなる? 2022年の航空業界② 植木義晴・日本航空会長に直撃!
財界オンライン / 2022年1月3日 15時0分
トンネルの先に出口の灯りが見えた
―― 日本航空会長の植木義晴さん、コロナ禍で航空業界は厳しいですが、コロナも落ち着きつつあり、何とか明るさが戻ってきましたか。
植木 トンネルの先に出口の灯りが見えたというところでしょうか。日本の出入国に関して慎重になるのは分かりますが、要するに、日本に入国する際には隔離期間がありますので、この隔離措置が無くならないことには、国際線はしばらく厳しいと思います。
わたしは航空業界のためだけではなく、日本経済が経済を再開しつつある欧米から遅れていかないためにも、どこかで隔離期間の撤廃に手を付けるべきだと思います。そうでないと、国際線に関しては、ビジネスも観光もお客様の戻りはほとんどない状態が続くと思います。
―― そういう中で、政府は国内旅行の需要喚起策「Go To トラベル」を復活させようとしていますね。
植木 ええ。やはり、これが開始されないと国内線もまだまだ回復はしないと思います。
コロナが始まった2020年の国内線需要というのは、19年比で約35%、つまり前年の3分の1まで落ち込んだんですね。その中で、10月と11月だけが50を超えたんです。
それでも前年に比べて半減してはいるんですが、これは明らかに「Go To」効果です。ですから、「Go To」は起爆剤になると思いますので、われわれとしては是非とも、需要喚起の意味で「Go To」政策を実行してほしいと思います。
一方で貨物は順調です。それぐらい今は、貨物が日本航空を支えてくれています。
―― 旅客が厳しい時に貨物が頑張ってくれるというのは、本当に有難いことですね。
植木 はい。国際貨物の容量が増えているわけではないのですが、旅客便が従来の半分程度しか飛んでいないわけですから、供給が絞られています。ですから、実は単価が2倍近くに上がっていると。
収入もコロナ前のノーマル時に比べて2倍になっているということで、旅客便が軒並み1~3割しかないと言っている時に、貨物が引っ張っていってくれるというのは非常に有難いです。
―― それと、日本航空では自社での仕事が減った社員を地域活性化のため「ふるさと応援隊」を派遣しているんですか。
植木 そうなんです。各県20名ずつ、トータル約1千名の客室乗務員を派遣しまして、この機会に地方とのつながりを持って日本航空を知っていただこうと。皆前向きに頑張ってくれていますので、必ずやピンチをチャンスに変えたいと思います。
【JAL】2025年度の大阪での実用化へ向けて「空飛ぶクルマ」の実証実験
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