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どうなる? 2022年の物流業界 長尾裕・ヤマトホールディングス社長に直撃!

財界オンライン / 2022年1月4日 15時0分

「巣ごもり」を機に消費の仕方が変わった


 ── ヤマトホールディングス社長の長尾裕さん、コロナ禍では「巣ごもり」を機にEC化が進み、「宅急便」が好調でしたが、22年の見通しとは。

 長尾 宅急便を始めて45年。「セールスドライバー」を中心に事業を展開し、現在はグループ全体で社員数22万人、約4千カ所の拠点、約5万6千台の車両を保有しています。日本は諸外国に比べてeコマース化が遅れていましたが、1回目の緊急事態宣言による「巣ごもり」を一つのきっかけに消費の仕方が急速に変わりました。従来ご利用されていなかった方がオンラインでモノ、サービスの購買にシフトしたのです。22年も引き続き生活様式、ビジネスの変化は継続すると見ています。

 ── 再配達削減の観点で「置き配」という新たな手法も打ち出してきましたね。

 長尾 置き配が配達の仕方としていいかという議論はこれまでもあり、国土交通省なども解決すべき課題があると見ています。宅急便は小倉昌男氏が45年前にスタートさせましたが、今も変わらぬ社訓に「運送行為は委託者の意思の延長と知るべし」があります。

 大前提として、我々はご依頼主の意思を一緒に運ぶことを大切にしており、対面してお届けすることを是としてきました。ただ、消費の仕方が変化しました。その中心となるオンラインによるモノの購入は発注者とお受け取りになるお客様が同じという特徴があります。そのため「対面で受け取りたい」「ドアの前に置いて欲しい」など受け取る方の新しいニーズに対応する仕組みが必要になったわけです。

 さらにお客様のご指定で置き配した時には、画像を撮影してリアルタイムにお送りするなど、安心してご利用いただける取り組みも進めています。こうした仕組みとセットでないと成立しないと考えています。

 また、1回目の緊急事態宣言の時には現場の社員から「知人以外とは会いたくない」というお客様もいらっしゃると聞きました。そのため、国交省に対して、判子やサインをいただかなくても配達完了とすると申し入れをした上で、会社として非対面での配達を可能とする意思決定をしました。

 ── 21年4月1日には主要事業会社を統合して「ワンヤマト」体制となりましたね。

 長尾 16年前にホールディングス体制となりましたが、機能ごとの事業会社に分かれていたことで経営資源が分散するという課題がありました。

 その中で各事業の「サイロ化」が明らかになり、もう一度経営資源を集約し、変化の激しい中で個人・法人のお客様にどう正面から向き合うかを模索しています。改革はまだスタートラインに立ったところです。

【経営者賞受賞】ヤマトホールディングス社長 長尾裕さん

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