【金融庁】米緩和縮小に伴うドル不足警戒 3メガの外貨調達リスク点検
財界オンライン / 2022年1月21日 11時30分
金融庁と日銀が3メガバンクのドルなど外貨調達リスクの点検に乗り出している。インフレ圧力の高まりから米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小を前倒しし、2022年には利上げが見込まれるなど金融環境が激変する兆しがある。
オミクロン株の台頭で新型コロナウイルス禍が再び深刻化する懸念も出る中、外貨資金繰りが逼迫した20年春の二の舞を避けるのが狙いだ。欧米の中央銀行とは対照的な日銀のマイナス金利政策の長期化で国内で儲けられない3メガは海外投融資の拡大に収益を求めてきたが、金融庁は「米国の金利上昇などにも耐えられるようにリスク管理の徹底を促す」(監督局幹部)方針で、対応を迫られる。
3メガなど邦銀の外貨調達に関しては従来、日銀が考査などを通じてチェックしてきた。しかし、20年以降の世界的なコロナ禍拡大に伴う米欧中銀による前例のない大規模な量的緩和が手仕舞いに向かう転換点を迎えた今回は、ドル金利上昇など市場の急変リスクに対する警戒が必要な局面だ。このため、金融庁が主導してより広範に3メガの外貨調達リスクを点検することにした。21年度から始めた金融庁と日銀の連携強化の一環とも位置付けられている。
具体的には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行を対象に、外貨調達計画や市場急変時の危機対応シナリオなどの妥当性を精査する方針だ。
ある金融庁幹部は「いざとなれば政府も外貨準備を活用してドル供給策などを検討するかも知れないが、まずは3メガが自力で備えを強化することが肝要だ」と強調。リーマン後の欧米銀行の退潮を背景に海外ビジネスを広げてきた3メガの経営戦略は正念場に差し掛かりつつあるようだ。
【政界】安定政権の確立に向けた参院選 岸田政権にとっての鍵は対中外交
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
1年2か月ぶりの円高、ドル139円台…FRBが0・5%の大幅利下げとの観測強まる
読売新聞 / 2024年9月16日 21時0分
-
米国次第の日本株 直面する危うさの正体
トウシル / 2024年9月13日 7時30分
-
追加利上げで株価暴落招いた日銀、9月以降の金融政策の行方は?
財界オンライン / 2024年9月5日 11時30分
-
大手金融グループの監督を強化、金融庁が新行政方針
ロイター / 2024年8月30日 17時17分
-
日経平均株価「史上最大の暴落」は「秋からはじまる株価上昇」の予兆!?…今後の日本株式に期待できるこれだけの根拠【経済の専門家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月24日 9時15分
ランキング
-
1キオクシアHD、1200億円の融資枠設定=三重・岩手の投資に活用
時事通信 / 2024年9月20日 22時41分
-
2「コンビニは高い」払拭目指すセブン-イレブン 松竹梅の“梅”重点強化
食品新聞 / 2024年9月20日 9時57分
-
3漁業関係者、「ぬか喜びにならなければ」=歓迎も中国側の手のひら返し警戒
時事通信 / 2024年9月20日 20時55分
-
4ほっかほっか亭「コラボ依頼して賛否」への違和感 日清食品「10分どん兵衛」の成功例に倣えるか
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 15時20分
-
5日経平均は9月下旬以降再び下落する懸念がある それでも中期での日本株の魅力は変わらない
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください