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【今、社員にとって良い会社とは?】<日本のモノづくり産業復活へ> 昭和電工新社長が目指す企業像

財界オンライン / 2022年1月21日 7時0分

髙橋秀仁・昭和電工/昭和電工マテリアルズ社長

「『昭和電工にいるような人がほしい』と言われる会社にしたい」

昭和電工/昭和電工マテリアルズ新社長
髙橋 秀仁
Takahashi Hidehito


人材育成に懸ける思い

 グローバル企業をいくつか経験して、昭和電工と一番違いが大きいなと思ったのが人事部門です。グローバル企業の人事はリーダーの育成、従業員の教育、価値観の共有が一番大きな仕事です。

 今回の統合では、まだお互いの人材をわかり切っていない。混合のチームで経営していくときに、半分の人が半分の人のことを語れない状況は健全ではない。統一した軸で人を見て語れるようにするには価値観を言語化する必要があります。

 そこで、「化学の力で社会を変える」というパーパスに、「プロフェッショナルとしての成果へのこだわり」「機敏さと柔軟性」「枠を超えるオープンマインド」「未来への先見性と高い倫理観」という4つの価値観をセットにして経営理念として伝えていきます。

 人をきちんと評価できるようにして、どこを改善し、どこを伸ばしてほしいかということを統一の指標で見ていきたい。人事評価を4つの価値観とパフォーマンスの2軸で見ていきたいということです。

 例えば、価値観はあるのだけど、パフォーマンスが低ければ、仕事を変えたり、教育をしてパフォーマンスを高めていく。どうすれば、その人が成長できるか、一生懸命手を差し伸べる。

 まずベースを作って評価をして、例えば、20代、30代、40代で人材のプールを作って、その人たちを引っ張り上げて会社全体のレベルを上げて、次の役員のサクセッションプランニングもしていく。これを密室でやらず、役員全員で情報を共有して、手間暇かけて社員を育てていきたいと思っています。

 僕がいる間は無理ですが、人材育成を続けて、10年後には「昭和電工にいるような人がほしい」と言われるようにしたい。日本の会社だとイメージはリクルートです。

 会社の旬が短くなり、産業構造が変わる中、いい会社というのは、新入社員に「君たちがどこへ行っても働けるような人に育てます」といえる会社だと思うので、そういう会社にしていきたい。日本の製造業の人材のベンチマークになりたい。

 働き方もいろいろあって、頑張りたくない人が悪いとも思っていない。頑張りたくない人は頑張りたくないキャリアパスもあると思っています。一方で、みんなが頑張りたくないと会社は困るので、人事評価とフィードバックをきちんとしてあげることと、頑張った人にはいいことがあることをきちんと見せて、目のキラキラしたやる気のある若手をそのまま伸ばしてあげたい。

いい会社の条件とは

 デジタル化、サスティナビリティ、地政学リスク、経済安全保障、パンデミック、日本の地盤沈下など、いろいろな問題がある中で、何をしていかなければいけないかを考えたとき、日本企業のいいところがくっついて相応の規模になって世界で戦っていくことはすごく大事なことだと思っています。

 規模があって、儲からないといい会社になれないと思っています。なぜかというと、サスティナビリティもデジタルもお金がかかる。それができない企業は企業経営に参加する資格がないという話だと思っています。

 そこで長期ビジョンでも掲げた売上げ1兆円は維持しつつ、EBITDA20%を計上できる会社になれば、社会に貢献できて、日本の世界における存在感も高めていけるかなと思っています。

 人材を輩出できる企業になり、グローバルできっちり戦えることを日本人の経営陣で証明したいという強い思いがあります。


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