【総務省】国交省の統計不正問題で対応に追われる
財界オンライン / 2022年2月1日 15時0分
政府が特に重要と位置付ける基幹統計の一つでまたも発覚した不適切な処理。国土交通省の「建設工事受注動態統計」で調査票が書き換えられ、数値が水増しされていたのだ。国交省は第三者の検証委員会で実態解明を進めるが、統計を所管する総務省も対応に追われている。
公的統計をめぐっては、2018年末に賃金や労働時間などの変動を調べる厚生労働省の毎月勤労統計で不正な処理が行われていたことが発覚。政府統計への信頼を揺るがす大きな問題となったことは記憶に新しい。このとき総務省は、各府省の統計の一斉点検を実施したのだが、結果的に国交省の不正には気付けていなかったことになり、関係者は頭を抱えている。
建設工事受注動態統計は、建設業者が受注した毎月の工事の実績を調べる統計。国内総生産(GDP)の推計や公共事業の立案などに活用されている。13年から国交省の職員により、建設業者が提出した調査票が書き替えられ、データが二重計上されていた。虚偽報告を禁じた統計法に違反する行為に当たる可能性もある。
総務省は、専門家で構成する統計委員会で今回の問題の原因などを調べる。金子恭之総務相は「経緯や原因の徹底的な検証を行っていただく。政府統計に対する信頼確保に向けてしっかりと取り組む」と強調した。
また統計委の専門チームが、総務省の過去の対応を検証。一斉点検で国交省の問題を把握できなかった原因を分析する。
過去に打ち出した再発防止策の検証も必要となる。政府は、毎月勤労統計の問題を受け、統計を管理する人員を増強するなどしたが、新たな対策も求められそうだ。
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