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三井不動産・菰田正信社長は、2022年のまちづくりの姿をどう考えているのか?

財界オンライン / 2022年2月2日 18時0分

菰田正信・三井不動産社長

まちづくりの中にスポーツ、エンタメを
 ─ 働き方が変化しています。三井不動産社長の菰田正信氏さん、オフィスの変化への対応は?

【あわせて読みたい】三井不動産の「八重洲再開発」、日本橋・京橋、そして銀座をつなぐ

 菰田 テレワークの有用性はよくわかりましたが、知と知をぶつけ合わせて新しい知を作ることや難しい交渉、あるいは不動産の場合は用地情報といった大事な情報はオンラインでは話されない。リアルな中で仕事をする重要性も再認識されていますので、ポストコロナの働き方は本社拠点型オフィスとサテライトオフィス、住宅の組み合わせになります。

 本社拠点型オフィスに求められるのは、いろんな知を結集して新しいイノベーションを起こすことだと思いますので、いろいろな業種の会社が近くにいらっしゃるとか、知の集積を作ることが重要です。

 また、オープンイノベーションが起こりやすい会議室、さらにはカフェなどで雑談しながら新しいアイデアが生まれるような、柔軟な働き方ができるオフィスのつくり込みが重要になってくると思います。

 また、住宅地の近くにサテライトオフィスがあれば、ネット環境やサイバーセキュリティも行き届いていますので集中して働けます。

 コロナ直後は都心マンションの売れ行きが落ちるのではないかと言われましたが、都心は相変わらず売れ行きが良く、値段も上がっています。一方で、郊外の住宅の売れ行きが良くなっているのも事実で、ニーズの多様化が起きています。

 一つのポイントは、郊外でも近くにオフィスや商業施設などの集積があって、徒歩圏内で全部済ませられるようなところです。これからの住宅需要は多様化したニーズにいかに応えられるかが重要です。

 ─ 千葉県の柏の葉での開発はその一例ですね。

 菰田 そうですね。秋葉原から柏の葉キャンパスまで電車で30分ですし、高速道路も混まなければ30分です。

 これからのまちづくりで重要なのはデジタル技術を使い、まちに溜まっているお客様のデータを解析し、いかに住みやすく、働きやすく、また便利に買い物ができる快適なまちをつくっていくかです。AIやロボットなどの活用がまだ足りていないので、まちのデジタルトランスフォーメーションも進めていきます。

 それから、デジタル化と同時に、リアルワールドの価値も高めなければいけません。

 その重要なコンテンツはスポーツやエンターテイメントだと思いますので、東京ドームを買収したり、横浜市役所周辺もスタジアムとの一体開発、神宮周辺も秩父宮ラグビー場、神宮球場と一緒に開発しています。まちづくりの中にスポーツ・エンターテインメントを取り込んでいきたいと思っています。

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