丸和運輸機関・和佐見勝の「共に成長の輪をつくる!」(第7回)
財界オンライン / 2022年2月24日 18時0分
学ぶ姿勢に徹して事業を進化
「全くの素人がこの業界に飛び込んだわけですからね。創業の頃、特に創業2~3年の頃はお客様に教えをいただいて仕事をつないでいた。それで、もっと自分で学ばなきゃいけないと思って、中小企業大学校に通ったり、海外視察を行って、先端物流はどうなっているのかと定期的に視察するようにしました」
荷主(顧客)との関係を大事にしながら「お客様にいろいろ教えてもらい、自分は育ってきた」という感謝の気持ち。荷主と共に成長していきたいという気持ちは創業時から丸和運輸機関社長の和佐見勝にあり、それは「自ら学んでいく」という姿勢につながっていった。
和佐見勝・丸和運輸機関社長
物流業界の変革は激しい。例えば、1980年代に入ると日本にも3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の波が入ってきた。物流一括請負。つまり、荷主に対して物流改革を提案し、一括して物流業務(ロジスティクス)を受託する業務のことである。
ファーストパーティは荷主企業が自分でロジスティクスを行う業態。セカンドパーティは荷主企業がロジスティクスを部分的に委託する業態を指す。時代の推移に伴い、業務も変化する。
24歳のとき、トラック1台で運送業の世界に飛び込み、単に荷物を運ぶ仕事から、倉庫や物流センターを持ち、荷の保管・管理や在庫機能などを担う物流会社へと業務を進化させてきた。
丸和運輸機関が今日、3PLの大手という評価を受けるのも、創業期から「貪欲に物流のことを学びたい」という思いで仕事に取り組んできたからである。
「海外の先進的な物流を勉強し、最新鋭の物流センターやシステムを学んできた。ヨーロッパなどはネットビジネスへの取り組みも早かったし、eコマース(ネット通販)を取り入れて成長し始めていましたからね」
eコマースは今日、日本でも大変な成長、拡大を遂げているが、和佐見がeコマース時代の到来を読んだのはいつの頃か?
「創業30周年を迎える頃ですから1990年代後半ですね。」と和佐見は答え、次のように続ける。「その頃、ドイツなどではスポーツウェアやシューズ(靴)など、スポーツ分野でネット販売が出始めていた。日本ではまだチラシやカタログによる宣伝、販売が盛んな頃です」
毎朝配達される新聞に折り込まれたチラシやカタログを介しての商品販売。それが欧米ではインターネット空間で情報がやり取りされていた。
「その頃はパソコンを使っての注文だったけれども、今はスマホ1つで何でもやり取りできる時代になりました。新デジタル時代と言いましょうか。どんどん様変わりしていくのです。その様変わりも日本国内だけを見ていると、よく分からないから米国とヨーロッパへは1年交代で行って視察をしてきました」
そうした欧米への視察、研修には異業種の人たちも参加しており、意見交換をする中で互いに刺激を受けたり、与えたりするということを積み重ねてきた。
小売業の関係者と欧米の流通業の店舗を視察し、店舗のあり方の変革ぶりを見る。またそうした流通業の物流センターを見
て、物流の変革を自分の目で確かめていく。
和佐見にとっては、自らの仕事を進化させていく上で非常に有意義な視察であった。常に何かを学び吸収していくの姿勢は経営を進化させていく。和佐見の真骨頂発揮である。
以下、本誌にて
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