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【木材由来の化粧品】製紙メーカー・日本製紙が、なぜ化粧品に参入?

財界オンライン / 2022年2月23日 15時0分

日本製紙の「森、肌、自然。」がコンセプトの『BIOFEAT.』

自社ブランドの化粧品事業を展開

「保湿力に優れたセルロースナノファイバー(CNF)を配合した化粧品」(日本製紙)

 日本製紙が昨年10月、自社ブランドの化粧品『BIOFEAT.』の販売を開始。約2カ月でフルラインセットが1000セット出荷したことを受け、1月から地域、期間限定の70%オフ記念キャンペーンを実施するなど、事業拡大にアクセルを踏んでいる。

 だが、なぜ、日本製紙が化粧品事業なのか─。

 事業を手掛けるのは1918年設立のグループ会社・日本製紙パピリア。

 同社は辞書などに使われる薄紙など、特殊紙事業を手掛けているが、化粧直しなどに使われる〝紙おしろい〟の製造や化粧品メーカーの商品の充填なども手掛けており、「化粧品および医薬部外品製造販売業許可」を保有。「製販元」として、自社ブランドの販売は可能な状況にあった。

 そうした中、日本製紙は、高い保水性や保存性を持つCNFの開発に成功。すでにCNFは素材として他社に提供。食品のもちもち感を出したり、シャンプーなどに採用されているが、幅広い可能性を持つ素材のため、自ら「用途開発をしていこう」とファンケルとのコラボレーションで自社ブランドの化粧品を開発した。

 化粧品の製造はOEMでファンケルが担当。また、販売はアマゾンキラーと呼ばれるカナダのShopifyを活用して自社サイトで販売している。

 さらに、定期的に商品が届くサブスクモデルの販売も手掛けるなど、様々な取り組みにチャレンジしている。

 コロナ禍によるマスク着用や在宅勤務で口紅などメイキャップ商品は苦戦を強いられているが、スキンケアなど基礎化粧品分野は高級品が売れるなど、堅調に推移。

 また、商品を消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)の流れもあり、消費者の支持を獲得して急成長する化粧品ブランドも多い。

 日本製紙は〝木材由来〟という素材の強みを活かし、容器も環境に優しい素材を採用するなど、エシカルなスキンケアブランドとして、ブランドの確立を目指す。次年度の売上目標は1億円、2025年度には5億円規模の事業に育てる目標だ。

 日本では多くの資産が大企業に集中している。大量生産大量消費時代が終わった今、大企業もスタートアップのサービスなどを活用しながら、独自性の高い新規事業開発を進めている。

大企業が新規事業で協業する「Relic」とは?

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