【総務省】東京23区、初の転出超過 一極集中の流れ鈍化?
財界オンライン / 2022年2月28日 11時30分
総務省は、2021年の住民基本台帳に基づく人口移動報告を公表した。東京都への転入が転出を上回る「転入超過」は5433人と過去最少を更新。前年に比べて8割減少した。
東京23区だけで見ると、初の「転出超過」となった。新型コロナウイルスの影響でテレワークの普及が進み、都心から離れる動きが加速するなど、「東京一極集中」の流れが鈍化していることを示す結果となった。
東京23区ではコロナ前の19年は転入超過が約6万人に上っていたが、それが20年は約1万人に縮小。21年はついに1万4828人、転出が転入を上回った。東京都全体では転入が42万167人、転出が41万4734人。月別では入学や就職のシーズンである3、4月を除き転出が転入を上回った。転出先は神奈川県が最多で、次いで埼玉県や千葉県と近県が占めた。
都道府県別では、転入超過は10都府県。神奈川が3万1844人と最も多く、埼玉、千葉、福岡、大阪、東京、茨城、滋賀、山梨、群馬の順で続いた。転出超過が最も多かったのは広島で7159人。次いで福島、長崎などとなった。
金子恭之総務相は記者会見で「コロナの影響もあり、東京圏への集中緩和の動きが見られる」と指摘。その上で、「都市部から地方へ移住した方々がそれぞれの地域で生き生きと生活されることが地方の繁栄、わが国全体の繁栄につながる」と述べ、岸田政権が掲げる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、地方の活性化やデジタル化支援を強化する考えを示した。
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