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【亀田総合病院】亀田理事長が語る”高度急性期病院としての役割”

財界オンライン / 2022年2月25日 15時0分

亀田隆明・医療法人 鉄蕉会 亀田総合病院理事長

かめだ・たかあき
1952年千葉県生まれ。78年日本医科大学医学部卒業。83年順天堂大学医学部胸部外科大学院卒業、医学博士号授与。同年亀田総合病院心臓血管外科勤務。85年医療法人鉄蕉会副理事長などを経て、2008年より現職。04年から08年まで東京医科歯科大学理事。

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コロナ感染拡大時の対応

 ─ コロナ危機から2年が経ちました。感染拡大当初はどんな対応をしてきましたか。

 亀田 2020年1月29日、当法人は千葉県の「勝浦ホテル三日月」と共に中国・武漢からのチャーター機第1便で帰国された方々の受け入れから、24時間体制で当院の感染症専門医と看護師による診療と観察を行うと共に、発症者については当院での入院受け入れも行いました。

 振り返ってみても、新型コロナウイルスの病態などが分からない中での対応でしたが、2週間後には帰国者全員が無事に帰宅できました。感染症の専門医をリーダーとする亀田・三日月の職員連合は素晴らしい対応ができたと思います。

 ─ しかしその直後にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染が起き、全国的に感染が広がりました。

 亀田 ええ。特に同年4月に発令された緊急事態宣言では、その深刻さを思い知りました。当法人の経営も、緊急事態宣言発令後は特に千葉・幕張や東京・京橋のサテライトクリニックはドック受診者の激減や外来受診者の減少で、開店休業状態に追い込まれました。

 そんな中でも京橋にある「亀田京橋クリニック」では落ち込んだ経済の復活に海外との交流が不可欠だと考え、6月から渡航者のためのPCR検査や渡航者外来の強化を図り、数十余りの国々への渡航のお手伝いをしました。また、亀田総合病院では20床以上の病床を休床にして7床のHCU(高度治療室)をコロナ専用病床にするなど、地域の医療を守るための取り組みを続けました。

 ─ その際、千葉県南部での亀田総合病院の役割とは?


千葉県鴨川市に拠点を置く「亀田総合病院」

 亀田 当院は救命救急センターや総合周産期母子医療センター、小児の入院施設、地域がん診療連携拠点病院などの指定を持ち、鴨川市、南房総市、館山市、鋸南町の3市1町を意味する安房医療圏の基幹病院として急性期医療を担っています。

 その意味でも、当院は県南地域の基幹病院であり、地域の人々の生活や命を守る最後の砦です。コロナ下であっても、コロナ陽性者の入院によって、手術を必要とする一般の患者さまやがんや心臓疾患などの患者さまの診療に支障が出ては困ります。そのため、いち早く地域の病院ごとの役割分担を明確にしようという話になりました。

 具体的には、安房では重症、中等症の陽性者を当院が受け入れ、軽症から中等症は富山国保病院で受け入れるという形で連携したのです。当院は重症患者の受け入れを中心に、治療に当たってきました。当院が受け入れた患者さまは、安房医療圏からは全体の22%で、それ以外の地域からが78%でした。

 例えば、松戸や浦安、市川から人工呼吸器を必要とする重症者も受け入れました。中には透析患者や多胎妊婦で切迫早産の危険性のある方など、他の病院では受け入れることができない患者さまも受け入れました。

以下、本誌にて

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