【異例のタッグ】『ヤマダ』と『アマゾン』が共同開発のスマートTVを販売
財界オンライン / 2022年3月11日 15時0分
家電量販店国内最大手のヤマダホールディングスが、アマゾンジャパンと共同で新たな「スマートテレビ」を開発した。インターネットに接続して動画などを楽しめるテレビで、3月5日から全国のヤマダデンキなどで順次発売。約1千店舗あるヤマダの店舗網を活用し、新たな顧客獲得につなげたい考えだ。
アマゾンはテレビに接続することで動画を視聴できる「Fire TV Stick」を発売しており、すでに世界に1億5千万台以上を出荷している。今回、共同開発したテレビには日本では初めて「Fire TV」が搭載。通常の地上波やBSなどの放送に加え、インターネット回線を通じてユーチューブやネットフリックス、アマゾンプライムなどの動画配信サービスを選択できる。
テレビはヤマダが独占販売権を持つ「FUNAI」ブランドとして船井電機が製造。アマゾンのAI(人工知能)機能「アレクサ」も搭載されており、ユーザーは声を出して番組を選択したり、テレビの操作ができるようになるという。
ヤマダ会長兼社長の山田昇氏は「お客様に素晴らしいユーザー体験をご提供できることと確信している。わたしたちの目標は、様々なコンテンツを備えた高品質のテレビを魅力ある価格で提供し、お客様の生活をより豊かにすること。アマゾンと手を組むことで、これが実現できる」とコメントしている。
近年は店舗をショールーム代わりに活用し、購買活動はネットで行う”ショールーミング化”が加速。特に家電量販店業界では、EC(電子商取引)専業がネットというコストのかからない環境で安売り、それに引っ張られる格好で実店舗を持つ家電量販店もネットの安売りに対抗し、体力勝負の消耗戦が続いている。
その意味で、今回は家電量販店とEC専業がタッグを組むという異例の提携。いわば、ライバル同士が手を組んだ形で、小売業の乱戦模様を象徴する提携劇と言えそうだ。
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