【創業130周年】アース製薬・川端克宜の新商品開発論
財界オンライン / 2022年3月10日 7時0分
「人間の曖昧性を超えるような技術は求めていない」
商品開発で重視しているのは、人間の感覚に訴える商品をつくろうと。人の感覚なんて曖昧なことが多いけど、どれだけいい技術ができても、人間の五感を超えるものは受け入れられない。だから人間の曖昧性を超えるような技術は求めていない。
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モノを売る行為というのは課題解決につながる。なぜ、お客様が商品を買うのか考えたら、何か悩みがあるから買っていただける。虫が出て困ったとか、虫が出てほしくないから虫ケア用品を買おうとか、疲れをとりたいから入浴剤を買おうとか、いい匂いでありたいから芳香剤を買おうとか、お客様には必ず悩みがある。悩みがあるから商品を買うのであって、商品を売るという行為はお客様の悩みを解決しているんだと。
そういう考え方が大事で、お客様の悩みを解決することができたならリピート率も上がるだろうし、リピートにつながらないということは悩み解決につながらなかったということなのだと思う。
わたしは「シェアはお客様の支持率」という言い方をしているが、シェアが高いか、低いかというのは少なからず、当社の商品を買っていただいて、お客様の抱えていた悩みを解決したことへの答え合わせだと思っている。お客様にとってベストな悩み解決を追求することが大事だと思う。
当社には先輩方が築き上げてきたブランド力や信用がある。ただ、お客様に必要とされる商品を提供できているから、たまたま今はそういう看板を掲げることができているだけで、その看板がなくなった時に何もない会社では困る。いくら先輩方が受け継いできたブランドであっても、時代が必要としなくなったブランドであれば、それは止めることもあるだろうし、それくらい変化への対応は大事。何か一つにこだわって、それがこけたら終わりという会社にはしたくない。そのために、いろんな手を打っていく必要がある。
海外戦略もそうだし、M&Aもそう。会社のロゴも変えたし、いろいろなことに手を打ってきたけど、まだまだやらなければならないことはいっぱいある。
戦略というのは即効性のあるものと、長期的なものがある。即効性のあるところでは、社内の組織改革やコミュニケーション強化など、1つ、1つ手を打ってきた。将来への投資ということではM&Aも行ってきており、これが未来に花開けばいい。これからも1年、1年が勝負だ。
続きは本誌で
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