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「最後まで、祖国を守り抜く」─トップの決意に全世界の人々は…【私の雑記帳】

財界オンライン / 2022年4月16日 11時30分

鐘の音を聞きながら……
「最後まで、祖国を守り抜く」─。ウクライナのゼレンスキー大統領の決意に、全世界の人々が支援を新たにしている。

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 ロシアのウクライナ侵攻・侵略が2月末に始まって1か月が経った3月24日(木)、所用で京都に来て、夕刻、近くの寺の鐘の音を耳にしながら、世の無常に何とも言えぬ気持に襲われている。

 圧倒的な軍事力を持つロシア軍はその卑劣な侵攻を止めようとしない。だが、ウクライナの人たちは、戦力では劣りながらも、守るべきものを最後まで守ろうとしている。「たとえ我が身は砲弾に吹き飛ばされようとも」という覚悟である。

 ゼレンスキー大統領は3月23日、日本の国会でオンライン形式による演説を行い、冒頭の決意を示した。

 日本の岸田文雄首相は演説を聞いた後、「極めて困難な状況で、祖国を強い意志と勇気で守り抜く大統領の姿に感銘を受けました」と感想を述べた。この首相の思いを多くの日本国民も共有している。何の罪もないウクライナの子どもたちや家族がミサイルや砲弾の直撃を受けて亡くなっている。ロシアはそのことに何の痛痒も感じないのであろうか?

 世界の大半の国々から経済制裁を受け、プーチン氏は追い込まれている。焦燥感から、その口の端々に化学兵器や核兵器という言葉が垣間見えるようになった。

 実に、危険な徴候である。ゼレンスキー大統領の日本での国会演説の翌日には、北朝鮮が日米を意識したミサイルを発射。〝負の連鎖〟を何とか止められないものか?

ゼレンスキー大統領の信念
 それにしても、ゼレンスキー大統領の信念の強さと勇気である。

 人生で大切なものは何か─。国民と運命を共にし、自分たちより強大なロシアの横暴に対して全くひるまないリーダーの姿を見せられて、わたしたちもいろいろ考えさせられる。

 1945年(昭和20年)の8月15日、日本は第二次世界大戦で敗戦国となった。

 米国主導のGHQ(連合国軍総司令部)による7年間の治政を経て、1952年(昭和27年)に主権を回復。日米安全保障条約を結び、以来、日本は経済に没頭し、1968年(昭和43年)自由世界第2位の経済大国となった。

 その後、中国の力が台頭し、経済力は2010年中国に抜かれて世界第3位となる。

 国の生き方として、ひたすら経済を主軸にした道を歩き、安全保障は米国依存という形が、戦後70年余続く。日本は自立自助の精神を確立しているのだろうかと自問自答すると、覚束ないのが現状。

 ロシアのような異様な行動を取る国に振り回されてはならず、ここはリーダーにも冷静な対応が求められるし、ジッと腰を据える胆力も必要だ。

求められる日本の役割
 人類は、戦争という二文字を消し去ることはできないのだろうか?

 確かに、第二次世界大戦終了後も朝鮮戦争、パレスチナ戦争、ベトナム戦争、イランイラク戦争、アフガン戦争、湾岸危機、そして最近ではシリアの内乱やサウジアラビアとイエメンの過激派との戦いと、戦争や動乱は絶えない。

 しかし、和平の道を探る努力は続くし、その火を絶やしてはならない。

 日本も、ドイツやフランスなどのEU(欧州連合)や米国、そして英国などと連携して、和平で新しい国際秩序をつくる役回りを迎えていると言っていい。

 北欧のある詩人は、「明日世界が滅びるとも、わたしは今日、リンゴの木を植える」と謳った。生ある限り、あるべき姿を求め、実践していく役割を、今日の日本は背負っている。

ジョン・レノンのImagineで
 先の大戦から20年経った1971年(昭和46年)、元ビートルズで一世を風靡したジョン・レノンは『Imagine(イマジン)』を作詞・作曲。この『イマジン』が心静かに人々の間で歌われている。
〝Imagine theres no heaven Itseasy if you try No hell below us Above us only sky Imagine all the people living for today Ah〟

「この世に天国などはないが、その気になれば簡単だよ、頭の上の空を見て、誠実に生きていこう」という歌詞は若者の心を捉えた。

 2001年のニューヨークテロの時もこの『イマジン』は世界中で歌われた。

 戦争を引き起こすのは年配の権力者だが、戦争の現場に引っ張り出されるのは若い世代。若い世代はもちろんのこと、熟年、高齢者も今の理不尽な動きに異を唱えて、進んでいくとき。

 世界の大半の人々は同じ思いでいる。人類の知恵と共存・共生への道はまだ残されていると信じたい。大事なものはある。

藤田晋さんの挑戦
「人」の可能性をいかに掘り起こしていくか─。デジタル化が進み、AI(人工知能)の活用で経済の効率が上がろうとも、社会を運営する主役はやはり「人」。

 本号では、ネット広告、ゲーム、メディアを三本柱に、ネットテレビ局『ABEMA(アベマ)』を運営するサイバーエージェント創業者社長の藤田晋すすむさん(1973年5月16日生まれ)に登場してもらった。1998年(平成10年)春、24歳で起業した藤田さんの起業家人生。

 新しい事業を始めると、既存産業との摩擦も生じる。イノベーション(革新)を起こすには、その摩擦を覚悟しながら進めていかなくてはならない。そして、中長期のビジョンを描きながらの投資敢行も求められる。

 インターネットテレビ『ABEMA(アベマ)』は事業を開始して6年が経つが、まだ赤字が続く。しかし、藤田さんはひるまず、新領域開拓に意欲的。『ABEMA』の赤字を埋めて、コロナ禍の2021年9月期は史上最高益を果した。

『ABEMA』のコンテンツはテレビ朝日と連携しての制作だが、「これもテレビ朝日の早河会長(洋氏)のご協力とご支援があって」と早河氏への感謝の意を示す。

 新しいことへの挑戦ということで、例えば誰を尊敬しますか?という問いに、藤田さんはリクルートホールディングス会長の峰岸真澄さん(1964年1月生まれ)も挙げる。

「峰岸さんはそんなに自己宣伝しませんけど、本当の中興の祖だと思うんですよ。リクルート社はずっと苦しんできた経緯があり、ドメスティック企業だったのを、全く違う会社に変えたのも峰岸さん」(トップレポート参照)。

 企業社会にも、想定外の危機が起こる今日、難局から逃げないリーダーが社会を支える。

 何事も諦めず、やるべき事をやり遂げる。使命感を持つ人同士の連帯感は強い。

 こうした連帯感もコロナ禍、ウクライナ危機下にあって、人を勇気づける。

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