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【厚生労働省】社会保障の有識者会議で子育て支援など6項目を議論

財界オンライン / 2022年4月18日 11時30分

社会保障の中長期的な課題を話し合う政府の「全世代型社会保障構築会議」(座長・清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長)が3月、発足以来4カ月ぶりに開催され、当面の課題として、子育て支援や介護負担の軽減策など6項目を議論することを決めた。

 6項目の論点は「岸田文雄首相が直近の施政方針演説や所信表明演説で訴えた政策を中心にテーマを選んだ」(内閣官房幹部)とのことで、「男女が希望どおり働ける社会づくり」に向け、育児休業制度の改善や仕事と子育ての両立支援をテーマに提示。年収が130万円以上になると扶養家族の対象から外れ、社会保険料の負担が生じる「130万円の壁」など、女性の就労の制約となっている制度の見直しも打ち出した。

 少子高齢化の急速な進展を踏まえ、介護離職を防ぐための休業制度の見直しを提案。岸田政権が掲げる「勤労者皆保険」の実現を目指し、厚生年金のさらなる適用拡大を検討することも盛り込んでいる。

 安倍政権が2019年に設置した「全世代型社会保障検討会議」では、一定の収入がある75歳以上の高齢者の医療費負担を1割から2割に引き上げる方針などを決めたが、今回のテーマには国民の負担増につながるような議題はほとんど含まれなかった。

 厚労省のある幹部は「岸田首相にとって夏の参院選で勝利して政権基盤を安定させることがまずは最優先。新型コロナウイルス対策やロシアのウクライナ侵攻など難しい課題がある中で負担増の議論は難しいだろう」と推測する。

 別の幹部は「国民負担が伴う話はなかなか厚労省だけでは決められない。こうした会議で方向性を打ち出して、政治主導でやってもらわないと……」と話しており、省内では参院選後の議論に期待する声が出ている。 

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