【国土交通省】鹿嶋市や富士五湖などでデジタル観光の実証実験
財界オンライン / 2022年4月9日 11時30分
観光庁は21年度、デジタル技術を駆使した新たな観光サービスを模索する実証実験を全国5カ所で行った。QRコードや顔認証システムなどを観光分野に活用。茨城県鹿嶋市や山梨県の富士五湖エリアでは、サッカースタジアムなどの集客施設を訪れた人を地域に誘導することで、消費拡大を目指した。
実証実験は、鹿嶋市、富士五胡エリアのほか、横浜市、北九州市、兵庫県姫路市で実施。観光庁は1カ所につき最大1億1千万円を補助した。
サッカーJ1鹿島アントラーズのホームスタジアムには、試合開催日に約2万人(19年平均)のサポーターが訪れる。だが、どこにも立ち寄らずに帰宅するサポーターも多く、地域活性化につながらないのが課題だった。
そこで実証では、周辺の飲食店など約40カ所にQRコードを設置。スマートフォンで読み込むとポイントがたまり、ユニホームなどのグッズと交換できる仕組みを構築した。
21年11月の試合開催日3日間の読み込み回数は、当初目標の2千回を大きく上回り、3千回を突破。自身もチームのファンだという観光庁担当者は「ここまでニーズがあるとは思わなかった」と手応えを語る。チームは今後も、取り組みを続ける意向だという。
一方、山梨県の富士五湖エリアでは同年11月以降、富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」など観光施設約30カ所の利用料や、鉄道・バスの運賃をひとまとめにしたデジタルチケットを富士急行が販売。事前に登録した顔の画像の認証だけで全て観光できるシステムを構築した。
同庁は22年度も実証事業を継続する。担当者は「国の補助金がなくても事業を継続できるビジネスモデルの構築が目標だ」と力を込める。
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