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【東北新幹線】宮城・福島両県の地震で2度目の脱線脱線防止策でJR各社に違い

財界オンライン / 2022年4月13日 7時0分

「どちらが正しいということはない。災害を100%防ぐことは不可能だが、どれだけ被災を和らげることができるかは各社の知恵の見せ所だろう」と語るのは鉄道に詳しい専門家だ。

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 3月16日に宮城・福島両県で発生した最大震度6強の地震で走行中の東北新幹線が脱線した。営業運転中の新幹線の脱線は2004年の新潟県中越地震時に続き2度目だ。死者などはいないが、「東北の大動脈」(関係者)である東北新幹線が全線再開まで1カ月程度の復旧期間を要することになった影響は大きい。

 JR東日本は既に様々な脱線対策を講じていた。新幹線の地震対策では「地震時に早期に列車を止める対策、構造物等の耐震補強対策、列車の線路からの逸脱を防止する対策を柱として取り組んでいる」(同社)。

 その中でも同社が進めているのが車軸にL字型の「逸脱防止ガイド」を新幹線の全車両に取り付ける対策だ。万が一、脱線した場合でも、L字型の逸脱防止ガイドが走行レールに引っかかることによって車輪が線路から大きく逸脱することを防ぐ仕組み。

 この方式はJR東日本のほか、JR北海道やJR西日本の北陸新幹線でも導入されている。また、レールをまくらぎに締結する装置にも、レールを固定する機能だけではなく、レールを固定する締結装置が破壊されてもレールの底部を押さえることできる「レール転倒防止機能」も追加するなど手は打っていた。

 それでも今回の地震では車両の横転はなかったものの、「脱線してしまったことで、どんな課題を持つのか検証が必要だろう」と前出の専門家も指摘する。

 一方でJR東海とJR西日本の山陽新幹線では台車に「逸脱防止ストッパ」を取り付ける対策を完了させている。新幹線が走行する線路とは別に脱線防止ガードをレールの内側に並行して敷設し、車両の台車中央部に設置したストッパが脱線防止ガードに引っかかるようにして地震時の脱線そのものを防止する仕組みだ。

 違いがあるとすれば復旧までの時間だ。前出の専門家によれば、JR東海の方式の方が復旧までの時間は短く済むと推測されるという。ただ、東北新幹線が走行する豪雪地帯での除雪作業を円滑に進める点ではJR東日本の対策が効率的とも言える。

 今後も地震の発生は起こり得るだけに、限られた経営資源をどれだけ審査対策に講じるか。JR各社にとって悩みの種になりそうだ。

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