三井物産がインドで再エネの開発事業に参画する理由
財界オンライン / 2022年4月29日 11時30分
三井物産が、インドで風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー開発事業に参画する。現地の再エネ事業者最大手ReNew Powerと合弁会社を設立し、ReNew社が51%、三井物産が49%を出資。インド新・再生エネルギー省傘下のインド太陽エネルギー公社と25年間の長期売電契約に基づき、40万㌔㍗の電力を供給する。2023年8月の商業運転開始を計画しており、総事業費は13・5億米ドル(約1650億円)となる見通しだ。
同事業ではインド国内で3件の風力発電所(総出力90万㌔㍗)と1件の太陽光発電所(同40万㌔㍗)を新設する。一般的な再エネ案件は風量や日照量によって発電量が変動し、安定的な電力供給が難しいことが課題。その解消のため、今回はインドで初めて蓄電技術を含めた複数の再エネ発電所から24時間安定的に電力供給を行う「ラウンド・ザ・クロック」スキーム型と呼ばれる事業になっているのが特徴。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、現在は原油や天然ガスなどの資源価格が高騰。中長期的には脱炭素を目指す方針に変わりはないが、当面のエネルギー確保を優先し、ドイツや英国などの国々が天然ガスや石炭などの投資を再開。いわば、脱炭素目標は先送りした形だ。
そうした中、インドは世界第3位の温室効果ガス(GHG)排出国(1位は中国、2位は米国)。このため、「現在インド総発電設備容量の過半を超える石炭火力発電所を将来的に置き換える役割を果たすことが期待されている」(同社)という。
中長期的な経済成長が見込まれ、慢性的な電力不足に悩むインド。再エネの拡大は電力確保や脱炭素という両方の意味で求められており、これまで国内外で培ってきた三井物産の知見やノウハウが期待されている。
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