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【ウクライナ侵攻】識者はどう見る? 元内閣官房副長官補・兼原信克《その3》

財界オンライン / 2022年4月20日 15時0分

日本は西側と連携するしかない

 ―― ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月以上が経ち、長期化しています。この現状をどのように見ていますか。

 兼原 ロシアが侵攻を始めた当初、ウクライナの首都キーウ(キエフ)はすぐに陥落するとみられていました。しかし、ロシア軍の準備不足とウクライナが善戦しているため長期化しています。プーチン大統領としては、キーウ包囲戦を長引かせるわけにはいかない。西側の経済制裁が効いてくるからです。

 戦場での成果を固めて早く戦争を終わらせようとして、プーチン大統領は今、焦りを覚えていると思います。

 ―― そうなると、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)はどう動いていきますか。

 兼原 ヨーロッパはアメリカにフルに付き合う形で、経済制裁を進めていくと思います。米英を筆頭に西側諸国も情報、財政、経済制裁等、あらゆる面で支援をしていると思います。あとは武器供与ですね。ウクライナに対しての武器支援を強化すると思います。

【ウクライナ侵攻】識者はどう見る? 日本エネルギー経済研究所理事長・寺澤達也



 ―― そうなると、また、プーチン大統領を怒らせたり、変な口実を与えたりすることになりませんか。

 兼原 プーチン大統領はそう考えるかもしれませんね。しかし、欧米人というのは、国家として戦争に参加しなければ、武器支援を普通にやるんですよ。中立法規でも民間の武器売却は禁止されていません。そこははっきり分けて考えていますね。

【ウクライナ侵攻】識者はどう見る? 元内閣官房副長官補・兼原信克(その1)

 ―― そこは割り切っていると。

 兼原 ええ。だから、弾を売ってやるとか、武器を供与するという話と、自分が国家として正規軍を投入して攻めにいくのとでは、全然意味合いが違うわけです。結局、武器を売ったり供与したりすること自体は戦争ではないからということで割り切っている。

もちろん、武器を搬入するときに攻撃されるかもしれませんけど、それはビジネスリスクという感じなんです。でも、国家として参戦すると、それは国家同士の殺し合いだから、そこから次元が変わるという感覚です。

 ―― 肝心の日本はどういうふうに動けばいいのか。われわれは尖閣や台湾などのリスクを抱えているわけですが。

 兼原 日本は西側にぴったりくっついて動くだけです。こういう白黒がはっきりした戦争の時は、自分たちもちゃんと旗をあげないといけない。他人の喧嘩は、小競り合いには関わりたくないというのが普通ですが、こういう白昼強盗のような場合には、国際社会の風向きはがらりと変わります。どっちの旗をあげているかが分からないというのはダメなんです。

 また、人間というのはお互いに貸し借りで動いている。もしも台湾で有事があったら、われわれも西側の雄である欧州諸国に支援を要請するわけです。欧州の国が困っている時に手を差し伸べないで、自分が困っている時だけ助けてくれなどというような身勝手は通用しません。

続きは本誌で

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