【「ザ・ノース・フェイス」などを展開】ゴールドウイン社長が語るスポーツアパレル企業のサステナブルな戦略
財界オンライン / 2022年4月30日 11時30分
見えない裏地こそ丁寧に作り込む――。当社は1950年、富山県西部の小矢部市で津澤メリヤス製造所として創業。創業者の西田東作は創業時からこの言葉を大事にしてきました。
「最後まで、祖国を守り抜く」─トップの決意に全世界の人々は…【私の雑記帳】
スポーツウエア専業メーカーとしての道を歩み始めた当社は63年に社名を現在の「ゴールドウイン」に改め、その後は「エレッセ」「ダンスキン」「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」「スピード」など、世界の一流スポーツブランドとの提携を結び、日本におけるスポーツ用品メーカーの地位を築きました。その根底には創業者の思想があったからだと自負しています。
創業から七十余年が経ち、世の中は大きく変化しました。当社も創業者の精神を活かしながら、見えない部分も変化させていかねばなりません。特にアパレル業界では環境対応は待ったなしです。この流れを受けて当社は昨年、環境問題解決に向けた数値目標を設定するなど、新たに中期経営計画「PLAY EARTH2030」を設定し、このほどこの中計に基づく新たなプロジェクト「Goldwin 0」を始めました。キーワードは3つ。①循環すること②越境すること③共創すること――です。
①については、持続可能なアイテムやビジネスモデルを開発する。アイテムはスポーツ領域で培った機能性とサステナブルな素材を融合したウエアを揃え、全てのアイテムを国内で生産することで、輸出などによるCO2排出量を削減していきます。
素材の軸となるのは「第3の繊維」である環境に配慮した次世代のタンパク質素材「ブリュード・プロテイン」。人工合成クモ糸素材で知られる国内のバイオベンチャー・スパイバーが製造を手掛けます。この素材は糖類をエネルギーとする微生物の発酵過程で製造されるタンパク質で粉末をベースに、繊維や樹脂、レザー風の素材など様々な素材に加工することができます。
まずはこの素材を使ったスリーレイヤージャケットやデニムを販売していきます。製造時に排出するCO2の量が少ないだけでなく、着心地が良くて使い勝手が良いものに仕上がっていると思っています。
②については、コロナ禍で人々の価値観は大きく変わり、新しい日常として自然と向き合う人が多くなりました。企業も目先の利益を追うだけでは生き残れない時代となったのです。その意味でも、当社が得意とするスポーツシーンだけでなく、デイリーウェアとしても着られるシームレスなデザインを提案し続けていかねばなりません。
③については、世界に貢献するスタンスを共有できる仲間が求められます。社会課題を解決して豊かな暮らしを実現するためには、心に余裕を持つことが重要です。その点、スポーツは自然の中で遊ぶことに起源があります。この”遊びをデザインする”スタンスが必要なのです。
そこで当社はコーポレートベンチャーキャピタルを設立。サステナビリティの分野で活動するベンチャー企業を対象に、関連会社のゴールドウインベンチャーパートナーズとイグニション・ポイント ベンチャーパートナーズとで30億円規模の資金を10年間運用していきます。
当社はこれまでスポーツウエア事業を主力事業として展開してきましたが、これからはそれだけに限らず、新しい未来をデザインする会社になり、社会から共感される存在を目指していかねばなりません。
そのためにも、創業者の精神を守りながら、スポーツの持つ可能性を広げるために仲間たちと協業の輪を広げていきたいと思っています。
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