最高益でも満足できず 『日本電産』創業者の永守氏がCEO復帰
財界オンライン / 2022年5月11日 11時30分
「現在の世界情勢は経済問題、政治問題でいろいろな逆風が吹いており、早い決断と対処が必要。こういう時には創業者で全てを知り尽くしているわたしが指揮を執って、業績を改善する。現在の株価や業績は決して満足できるものではない」
こう語るのは、日本電産会長兼CEO(最高経営責任者)の永守重信氏。
日本電産が4月21日付で、永守氏がCEOに復帰する人事を発表。昨年6月からCEOに就いていた社長の関潤氏はCOO(最高執行責任者)となる。
同日発表された2022年3月期の連結業績は、売上高1兆9182億円(前年同期比18・5%増)、営業利益1715億円(同7・2%増)、当期利益1369億円(同12・2%増)。市場では「売上高、営業利益、当期利益がいずれも過去最高を更新したのに認められないとは本当に厳しい……」(アナリスト)という声もあがっている。
日本電産の経営は組織を細部まで管理、指示し、生産性を引き上げる手法。かねてから、永守氏は売上高営業利益率15%を一つの基準にしているが、22年3月期は8・9%。21年3月期も9・9%に留まっており、同氏にとっては満足できる水準ではなかったようだ。
同社を一代で売上高2兆円に迫る世界的なモーターメーカーに成長させた永守氏。しかし、中期経営計画にも掲げているように「創業経営者のリーダーシップによる基盤形成期を経て、次世代経営者による新体制へと脱皮」することは長年の課題。
これまでもシャープ元社長の片山幹雄氏やカルソニックカンセイ(現マレリ)出身の呉文精氏、関氏同様に日産自動車出身の吉本浩之氏など、永守氏の後継候補は複数人いたが、いずれも永守氏の眼鏡にはかなわなかった形だ。
もっとも永守氏は「関社長が当社の経営手法やスピードを習得するにはあと3年くらいかかるのではないか。それぐらい経ったら、もう一回CEOをやってもらえるのではないかと考えている。日本電産は早い決断と実行によって成長してきた会社。もう一度早い日本電産に戻して、業績の改善を図る」と語る。
2023年に創立50周年を迎える日本電産。最大の課題とされた「ポスト永守体制」を築けるか。古くて新しい課題が再燃している。
社員のことはどう考える? 株主に振り回され続ける『東芝』
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ジョイフル本田とハンズマンの24年6月期決算分析 ともに増収営業減益、中期経営計画を見直し
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年11月14日 2時0分
-
日本アクセス 上期増収増益 経常181億円
食品新聞 / 2024年11月12日 14時33分
-
【決算深読み】ソニー 過去最高の上期決算、ゲーム事業がけん引し通期も最高益更新へ
マイナビニュース / 2024年11月10日 21時58分
-
台湾半導体TSMC、「AI半導体」需要が業績押し上げ 7~9月の売上高39%増、「AIバブル」の懸念否定
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 11時0分
-
日立、2025年3月期の売上収益を1500億円上方修正‐送配電事業が好調
マイナビニュース / 2024年10月30日 17時7分
ランキング
-
1関西財界訪中団、邦人の安全確保に懸念 短期ビザ免除再開に期待も 投資意欲は持続
産経ニュース / 2024年11月25日 18時19分
-
2「トイレ流せない…」水道代にも値上げの波 千葉で水道代を2割“値上げ”方針 住民からは悲鳴も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 21時9分
-
3トヨタ、北京の営業拠点閉鎖 中国合弁、天津に集約へ
共同通信 / 2024年11月25日 20時22分
-
4災害に備えて家に食料を蓄えていますが、出先の対策が全くできていません…。普段から何を持ち歩けばよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月24日 3時50分
-
5〈サイゼリヤのメニューに異変?〉「値上げして良いからメニューを充実させて」との不満投稿に広報の回答は?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください