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【株価はどう動く?】技術革新を牽引する米国株の今後、そして円安で広がる格差

財界オンライン / 2022年5月13日 18時0分

株価が下がる「3条件」は米国に当てはまるか
 ニューヨークダウ、あるいは米国の株式市場は長期の波動から見て天井圏にあります。前回指摘したように、1981年9月に15.84%という長期金利のピークを付けた時期、株価は82年8月に776ドルという底値を付けていました。

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 その後40年金利は下がり続け、2020年8月に底入れしました。そして今、米国は金利上昇局面に入り、株価は天井圏にあるというのが今の大局観です。

 ですから、金利が底入れしてから2年半から3年後が株価の天井になると見ていますが、そこからすると22年の年末年始から、23年の2月くらい、もしくは年央までに天井を付けるという見通しになります。

 ただ、それは米国株価の「歴史の終わり」ではありません。米国の株価は40年という長期波動の間に、これといった大きな押し目なく来ました。途中もちろん、08年のリーマンショックなどもありましたが、結果として株価は短期間で回復し、上昇を続けました。この間、米国株の停滞期はほとんどなかったと言っていいでしょう。

 今後は、一種の停滞期、調整期が訪れる可能性があります。ニューヨークダウやナスダックが天井を付けた後、3分の1押しや半値押しとなって1年は休む、あるいは揉み合うといった端境期となるということです。

 しかし、米国株の長期上昇トレンドは今後も続くと見ています。ニューヨークダウが天井を打ってそこで終わり、代わって日本株の時代になるというわけではありません。40年続いた米国株の上昇波動の、1つの過渡期がやってきます。

 きっかけの1つが米国の金融引き締め、金利上昇です。これによって米国株は500ドル上げて、400ドル下げるといった波乱の展開が続いています。そこにウクライナ戦争が起こり、国際情勢が不安定化しています。

 私は以前から、当社の有料音声配信サービス「スガシタボイス」の会員である個人投資家の方々にお伝えしていますが、株価が下がる「3条件」があります。

 第1に金融引き締め、利上げです。これはまさに今、米国で起きていることです。第2に増税及び規制強化です。これも今、法人税上げ、超富裕層への増税、プラットフォーマー規制が米国で行われようとしています。第3に国際情勢不安です。

 この3条件の1つでも起これば株価は動揺し、下落すると言われますが、米国は3つとも揃っています。それでも米国の株価は暴落していません。なぜか。

 普通の経済学、マネーの流れから言うと米国株は天井を打って暴落していてもおかしくありませんが、諸々のハンディキャップを跳ねのけて高値圏にいる最も大きな要因は、米国が技術革新、DX革命のフロントランナーであることです。

 この強みがキープされる限り、40年周期の大きな調整局面があっても、米国株は再びよみがえってきます。むしろ、大きな下落調整局面があれば、長い目で見て買いチャンスだということになります。

 技術革新に加えて、米国株の強さを支えるのがドル高です。世界のマネーがドルに集まっているわけです。ですからドル買い、円売りとなって大幅な円安となっているのです。この傾向は長期間にわたって続きそうです。

 為替市場を動かす要因は、短期的には金利格差です。欧州や日本がゼロ金利、マイナス金利なのに対し、米国金利は上昇してきていますから、ドル高につながります。長期的要因はファンダメンタルズです。国力の強い国の通貨は買われ、弱い国の通貨は売られます。米国の国力は世界で最も強い。軍事力、経済力に加え、エネルギーの輸出国でもあります。

 これらのことからしても、ドル高時代が長期間続くことになります。波動から見ると、米国の株価はいつ調整局面となってもおかしくありませんが、ドル高と技術革新で米国の株は上昇を続けるわけです。

 ですから今後、日本の個人投資家もドル建ての資産を持つ必要があります。今の円安は一時的なものではなく、継続します。日本のファンダメンタルズが売られているからです。加えて、30年続いた長期デフレで金利はゼロ、あるいはマイナスでなかなか脱することができません。

 米国株の長期上昇トレンドは続きますが、冒頭に指摘したように今年の年末年始から来年年央のどこかで大幅な調整局面となり、米国株を持つ投資家を青ざめさせる場面もあるでしょう。ただ、そこは絶好の買いチャンスとも言えます。

 また今、急速に円安が進んでいますので、年内には下げ過ぎの反動高で一時的に円高になると見ています。ただ、向こう2、3年を見通せば円安時代が続きます。波動から見ても、1ドル125円は大きな壁でしたが、これを突破してきました。

 次の目標値は相場の波動から見て、02年に付けた135円になります。それをも突破すると、長期的には85年のプラザ合意の時の安値147円を目指す展開もあり得ます。

 135円を目指す動きになると、政府・日銀も何らかの手を打って、一旦は円高に振れるかもしれませんが、一時的です。

 為替を円高方向に向けるには金利引き上げということになりますが、早期の引き上げは財政の観点から財務省が望まないでしょうし、円買い介入は為替操作と見られて難しい。投機筋などは日銀に対応策がないことを見切って円売りを仕掛けています。ですから今後、投資家は「大円安時代」を想定する必要があります。

 今後は円安でメリットが出る企業の株価が上がります。例えばトヨタ自動車やソニーなどが挙げられます。あるいは新興企業、成長企業で米国市場で活躍しているところなどは大化けする可能性があります。また、前回指摘したように資産インフレに関連する銘柄にも注目です。

 日本経済はデフレが継続して給与が上がらない一方で、輸入物価は上がりますから、今後資産を持つ者、持たない者の格差がさらに広がる時代となります。なので誰にとっても今後は生活防衛、資産形成が必定となるでしょう。

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