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【ウクライナ危機で揺れる国際秩序】世界経済、貿易、金融はどうなる?

財界オンライン / 2022年5月15日 11時30分

自分達はやるべきことを…
「世界情勢がどう動くかは予測不可能だが、自分達はやるべきことをやるしかない」というのが経済人の大方の受け止め方。

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 コロナ危機が2年続いているところへ、ロシアによるウクライナ侵攻。戦後77年が経ち、この間、1989年に『ベルリンの壁』崩壊が起き、資本主義(西側)対社会主義(東側)の対立が終結。資本主義の自由・民主主義陣営の勝利とされた。

 以来30年余、旧社会主義国が一気に市場経済に流れ、中国は日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。

 完全に西側の勝利とされていたが、ソ連の後継国家となったロシアのプーチン大統領だけは1人違った。ロシア帝国主義の復興を図るとばかりに2000年に大統領に就任して以来、実質的に20年余、トップの座にある。長期独裁政権の中で今回のウクライナ侵攻を決断。

「まさかウクライナに侵攻するとは……」と世界中の不安の種を投げかけている。ロシアのウクライナ侵攻は下手をすれば第3次世界大戦の引き金を引く可能性がある。

 プーチン氏は「核の使用をためらわない」とほのめかしているからだ。先の第2次大戦終結から77年が経ち、これまで築かれてきた国際秩序は根底から覆り、新しい秩序を求めての苦しみが続く。

円安で日本から富が流出
 ウクライナ侵攻が始まって、為替が激しく揺れ動く。コロナ前、日本円は対ドルで110円だったものが、瞬く間に120円台に跳ね上がり、135円にまでなるのではという観測も強まる。この円安による日本からの富の流出は多額なものである。

 当然、エネルギーは100%近く、食料も輸入に頼る日本。食料自給率37%という低さは小麦その他の食料品輸入額の急上昇につながり、日本経済を直撃。燃料や食料品の購入のための家計を強く圧迫。ウクライナ危機が国民経済に影響を及ぼし始めている。

 この先の日本経済、世界経済はどうなるのか? 世界は日・米・欧の民主・自由主義圏とロシア・ベラルーシ陣営、そして中国、インドなど独自のポジションを維持しようとする勢力、さらには新興諸国群とバラバラの状況になっている。

 こういう時に日本は存在感を発揮して、世界を牽引すべきという声もある。いずれにせよ、ウクライナ危機は「最後まで諦めず、新しい秩序づくりへ努力する時」(某経済リーダー)という精神で臨む他ない。

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