イーロン・マスク氏がツイッター買収へ、問われるメディアの〝言論の自由〟
財界オンライン / 2022年5月20日 7時0分
アマゾン・ベゾス氏はワシントン・ポストを買収
4月4日、テスラCEOのイーロン・マスク氏がツイッターの株式9%を保有していることが判明。それからわずか3週間─。マスク氏は5.6兆円の資金を用意、経営再建中のツイッターはマスク氏に買収されることになった(その後、買収の「保留」や価格引き下げを示唆するなど紆余曲折が続く)。
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これまでもメディアは世界の富豪の買収の対象だった。
近年はIT起業家のメディア買収が目立っており、2013年にアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が2億5000万ドル(約320億円)で『ワシントン・ポスト』を買収。編集と技術部門へ一大投資を実施し、DXによって同紙を復活させた。
また、18年にはセールスフォース・ドットコム創業者のマーク・ベニオフ氏が1億9000万ドル(約200億円)で『タイム』を買収している。
だが、今回のマスク氏のツイッター買収は、これまでのメディア買収とは次元の異なる買収といえる。
ツイッターの登場によって、メディアの世界は大きく変わった。かつて、著名人の声は大手メディアの報道を通じて知ることが一般的だったが、マスク氏が象徴するように、著名人が自らの主張や考えをツイッターで直接発信するようになった。
また、米前大統領のドナルド・トランプ氏は、ツイッターで偏った考えや国民を扇動するような発言を連発。死者を出したワシントンの暴動を引き起こし、ツイッターから永久追放されることになった。
現在のウクライナ危機でも、現地の情報を知れるのはツイッターなどSNSメディアの存在が大きい。だが、一方で、誤った情報やフェイクニュースの拡散も大きな問題となっている。
SNSが世界情報を左右する力を持つ中で、各国はITメディアへの規制強化を求めてきた。
マスク氏はこうした流れに反発。ツイッターにおける言論の自由の確保、アルゴリズムの透明化などを進めるとしている。
グーグルやフェイスブックなどITメディアのサービスやルールは、経営者の思想が大きく影響してきた。独断的ともいえるマスク氏がSNSというメディアの公共性・公平性をどう担保するか注視する必要がある。
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