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【パナソニック】新会社設立でソリューション事業の強化を図る狙いとは?

財界オンライン / 2022年5月24日 15時0分

楠見 雄規氏

「今年度は自主責任経営の更なる徹底が必要という課題認識を持っている。競争力強化の加速に向けて、サプライチェーン(供給網)マネジメント事業の上場準備の開始を決定した」

 こう語るのは、パナソニックホールディングス(HD)社長の楠見雄規氏。

 パナソニックHDは、傘下のパナソニックコネクト社が展開するサプライチェーンマネジメント事業の強化に向け、新会社を設立し、上場を目指すことを決めた。新会社は昨年、約7700億円で買収した米ソフトウェア企業・ブルーヨンダーを中心に設立。製造業や物流の現場で得られる各種データを分析・活用し、業務プロセスの最適化やサプライチェーン全体の最適化を図るのが目的だ。

「競合が仕掛ける成長に対して、自己成長では間に合わない場合がある。事業会社の自己投資余力を超える非連続成長を促すために、外部資本の活用を含めた資金の活用もホールディングスとして実行していく」(楠見氏)

 同社がブルーヨンダーを中心とした同事業の強化を急ぐのは、ハードの売り切りではなく、ソフトなどで継続的に稼ぐ「リカーリングビジネス」の確立を急いでいるから。

 ちょうど10年前の2012年3月期に巨額赤字を計上した同社。この時期、ライバルのソニーも赤字だったが、リストラのみで終わったパナソニックと、リストラ後にゲームやアニメ・映画などを中心としたリカーリングビジネスを確立したソニーで大きな差がついてしまった。

 パナソニックコネクト社長の樋口泰行氏は「ブルーヨンダーは技術力、顧客基盤、リカーリング比率のステータスなど、大変いい位置づけにいる。ソフトウェアだけをやる競合企業が決してマネすることができないソフトとハード(の融合)による、唯一無二のソリューションを提供していく」と語る。

 パナソニックHDはリカーリングビジネスを確立し、永遠のライバル・ソニーに追いつき、追い越すことはできるか。

【パナソニックHD】楠見雄規が語る”創業者・松下幸之助の思いを今一度”

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