【関西電力】森本社長が退任 “信頼回復に一定の道筋”
財界オンライン / 2022年5月26日 18時0分
ガバナンス改革の成否は結果で示すしかない
関西電力は森本孝社長(66)が退任し、後任に森望副社長(59)が昇格する人事を発表。信頼回復に一定の道筋をつけたとして、6月の株主総会後に交代する。役員らによる金品受領問題の発覚後に就任した森本氏は「社内外の評価も、金品問題が発生する以前の評価に戻りつつあり、一定の手応えを感じている」と語り、取締役も外れる予定だ。
副社長は森氏のほかに、彌園豊一氏、稲田浩二氏、松村孝夫氏がいるが、「最も若い森氏に白羽の矢が立ったということだろう」(関電40代社員)というのが一般的な見方だ。
一方、森氏は京大大学院卒で、学部は工学部電気系。もはや、学歴など関係なく実力主義の時代とはいえ、京大工学部出身者が社長に就くことについて「森詳介氏の影響力が今も残っていると感じた関係者は少なくない」(役員OB)という声も出ている。かつて社長・会長を歴任し、関西経済連合会会長も務めた森詳介氏は京大工学部出身。森詳介氏の後継だった八木誠氏も京大工学部出身だ。
関電から金品受領・便宜供与問題で損害賠償請求訴訟も起こされた森詳介氏は、提訴された後も同社の社用車や執務室を使用していることが発覚し、非難された。今でも岩谷産業の社外役員や関西・大阪21世紀協会の会長を続けている森詳介氏だが、現在も関電への影響力は消えていないのだろうか。
果たして関電は過去とのしがらみを断ち、膿を出し切ったのか。関電はすでに人事、報酬、監査を社外取締役中心の各委員会で担う「指名委員会等設置会社」へと移行しているが、どんな改革も”仏をつくって魂入れず”では意味がない。関電のガバナンス改革の成否は森望体制が結果で示すしかない。
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