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2020年に創業100周年 リンナイ・内藤弘康社長が語る「次の100年に向けた市場掘り起こし」

財界オンライン / 2022年6月6日 7時0分

CO2削減は絶対条件!

 ―― リンナイは2020年に創業100周年を迎え、また次の100年に向けてスタートしたわけですが、今後はどのようなスタンスで経営に臨んでいく考えですか。

 内藤 やはり、これからは今まで以上に地球環境を意識した経営をしなければならないということで、エネルギーは今までガスが主体だったんですが、これからはいろいろなエネルギーを取り入れてベストなものを志向していこうと。そういう商品を開発していこうということで、ガスは当然続けながらも、ヒートポンプ式の電気機器は積極的に展開しようと考えています。

 もう一つは、オーストラリアやイギリス、アメリカあたりでガスに水素を入れていこうという動きがあります。要するに、水素を入れた分だけCO2(二酸化炭素)の発生が少なくなるので、15%とか、20%とか水素を入れると自動的にその分のCO2が下がるんです。

 皆さんに水素を使うと言うと、新しいことをやるように捉えられるんですが、実はつい最近までわれわれも水素を使っていたんです。

 ―― 日本にあった技術ということですか。

 内藤 技術というよりも、日本にはいろいろなガス種がありまして、今はほとんどプロパンと天然ガスの2種類になっているんですが、昔は10数種類以上のガスがあったんです。

今、天然ガスで使っているのは「13A」という言い方をしまして、かつては「5C」とか「6C」と呼ばれる発熱する熱量の少ないものがありました。水素含有量が5Cは40%くらい、6Cは30%くらいありまして、6Cあたりは日本でも最近まで使われていたんですね。

 ですから、海外で水素の研究が活発になってきたということで、われわれも水素を活用していきたいと考えていますし、今後は水素とCO2を合成してメタンをつくるメタネーション技術の開発が期待されていますので、こちらにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

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 ―― やはり、地球温暖化対策というのは、今後のキーワードになりますね。

 内藤 はい。当社は約10年前からガスと電気のハイブリッド給湯器『エコワン』を販売しているんですが、正直申し上げて、当初見込んでいたよりなかなか火がつかなかったんですが、政府が2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指すと宣言してから、この2年ほどで皆さんの意識がガラリと変わりました。

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 今は皆さん、CO2削減は絶対条件であると。今までは環境対策というのは逃げられるのであれば先送りしたいというイメージがあったと思うんですが、これからは国を挙げてやっていくんだなと。企業も、個人も、そっちの方向に行かなければならないんだなということで、最近は地球温暖化対策に真剣に向き合おうという覚悟のようなものを感じます。

 国はいろいろなCO2削減目標を掲げていますが、例えば、家庭用の中で実は給湯、お湯をつくるのはものすごいエネルギーが必要です。ですから、現状の給湯器を全てハイブリッド給湯器にすれば、エネルギーは半減するということで、それだけで家庭用の削減目標は達成できてしまいます。

 また、ハイブリッド給湯器は太陽光発電との相性もいい。要するに、太陽光のエネルギーで電気のヒートポンプを回してお湯をつくるんです。ハイブリッド給湯器であれば、効率のいい時にお湯をつくっておいて、足りなくなればガスで炊くように切り替えればいい。

 われわれは、そういう使い方もご提案できますので、今後はハイブリッド給湯器の需要が期待できると思います。

続きは本誌で

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