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【外務省】チャーター機の使用を巡り、今になって河野元大臣に謝意

財界オンライン / 2022年6月4日 11時30分

ロシアによるウクライナ侵攻に各国と連携して対処するため、林芳正外相がチャーター機を使って海外出張するケースが急増している。同省は2022年度予算でチャーター機の費用を前年度比2割弱増となる6億6千万円を確保していたが、同省幹部は「出張日程を組みやすい。こんな危機が起きる前に予算の増額を働きかけた甲斐があった」と胸をなでおろしている。

 チャーター機を使えば、民間機のフライトスケジュールを気にする必要がなくなり、出発直前まで国内で公務を入れたり、現地で会談が伸びても柔軟に対応できるというメリットがある。林外相は4月28~5月2日の中央アジア・モンゴル歴訪や同月10日の韓国大統領就任式への出席、同月11~15日にドイツで開かれた主要7カ国(G7)外相会議でもチャーター機を使った。

 もともと、チャーター機を積極的に活用し始めたのは河野太郎元外相だ。河野氏は主要国並みに「外相専用機」の導入を求めたが、財務省が「維持費などがケタ違いにかかる」と難色を示した経緯がある。

 現下のウクライナ情勢では、欧州で緊急のG7外相会議が突然決まるケースが多い。岸田文雄首相は、日本のプレゼンスを示すうえでも、極力対面の会合に出席するよう林氏に指示を出している。同省幹部は「河野氏の無茶ぶりには振り回されたが、チャーター機の活用に道を開いてもらったからこそ、今の危機に対応できている」とそっと謝意を示している。

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