「EVの意識が急速に変わった」【スバル】が初のEV新工場建設へ
財界オンライン / 2022年6月7日 18時0分
日系自動車メーカーの中で最も販売台数が少ないSUBARU(スバル)が他社に先んじて電気自動車(EV)の専用工場を建設すると表明した。同社は5年でEV関連の設備投資に約2500億円を投じ、27年以降の稼働を目指す。
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スバルは他社に比べてガソリン車の比率が高く、電動車へのシフトは遅れていた。同社のクルマは”走り”にこだわるものが多く、EVではその乗り心地が実現できないとも言われていたからだ。また、EVの到来に関しても1年ほど前までは「黎明期を経て移行していく」(幹部)という見方を示していた。
ところが環境は一変知した。スバルの世界販売台数の約7割を占める主力の米国市場で、EV化が急速に進む見通しとなったからだ。社長の中村知美氏は「2~3年前まで米国のリテーラー(小売店)と話していても、EVに関する質問はなかった。それが1年前から半年くらいで急速に増えてきた」と語る。
スバルは群馬県の大泉工場を新工場の立地として想定。まずは既存工場でEV生産に向けた工場の改修を開始し、25年を目途にガソリン車とEVの混流ラインを立ち上げ、EVの生産に乗り出す。同社の国内の完成車工場は同県太田市に2カ所あるが、工場新設は1969年に稼働開始した群馬製作所内の矢島工場以来、約60年ぶりとなる。
スバルは5月からトヨタ自動車と車台を共同開発した初のEV「ソルテラ」の受注を開始。以前から北米などで試乗会を重ね、その手応えを感じていた。そんな中でEV新工場の建設へと踏み切った。加えて、スバルはソルテラの生産をトヨタの元町工場に委託しており、自社でEVを生産していないという課題もあったことも挙げられる。
スバルは現時点で、30年までに世界の新車販売の4割以上をEVとハイブリッド車にする目標を掲げる。ただ、世界の自動車大手のEVシフトは早い。独フォルクスワーゲンはドイツでEV専用の工場を稼働。米ゼネラル・モーターズも米国でEV工場を建設した。日系自動車メーカーの出遅れ感は否めない。
スバルの22年3月期業績は減収減益と一人負けとなった。他社に後れを取っていたEV生産で巻き返しを果たせるか。今後のスバルの将来を左右する。
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