【チョコレート菓子「ブラックサンダー」で旋風】有楽製菓・河合辰信社長が語る“日本一ワクワクする菓子屋づくり”
財界オンライン / 2022年6月6日 18時0分
年間10~20の新商品
リーズナブルな価格でお腹と心を満たす――。 当社が販売するチョコレート菓子「ブラックサンダー」は1個30円からという手頃な価格をウリに、コロナ禍でもコンビニやスーパー等で堅調な販売を続けています。
【写真で見る】本社併設の直営店など、河合社長の業務に密着
1955年にアイスクリームに添える加工用ウェハース製品の生産を開始した後、創業者はもっと子供を喜ばせたいという思いからチョコレート製品の生産を開始。 94年には「ブラックサンダー」が誕生しました。
当初は全く売れず、九州で細々と継続していたのですが、2003年から風向きが変わり、06年には東京農工大学の学生と生協職員のやりとりが人気を集めたブログが登場し話題を呼ぶと、08年には北京五輪で活躍した体操の内村航平選手の好物としてメディアに取り上げられ、 18年には年間シリーズ累出荷本数2億本を突破。 お陰様で21年7月期の売上高も118億円超にまで成長しました。
他の会社ができない価値を提供することが当社の使命です。 そのための商品のクオリティには一切の妥協はありません。 同時に、それまで当社になかったお客様の視点で物事を考えるというマーケティングの発想を持ち込み、年間10~20の派生商品や新商品を投入しています。
例えば、バレンタイン。 「ブラックサンダー」を本命のチョコとして渡すイメージは浮かばないかもしれませんが、義理チョコとして売り出すことで消費者の間で「義理チョコ=ブラックサンダー」というイメージが定着しました。 「ブラックサンダー」の商品特性をもって本命と して使えないからこそ、自身から「一目で義理とチョわかるコ」というコピーをつけ、多くの方の共感を得ることができました。
日本の駄菓子を世界に
駄菓子には大きな可能性があります。 手軽な量と価格で子供はもちろん、大人の消費 も伸びていますし、身近な存在であるからこそ、他社との様々な取り組みも好意的に受け止めてもらえます。 さらに、駄菓子という日本ならでは の食文化は海外でも大きな可能性を秘めています。 台湾では販社を作り、商談などを強化しているところです。
創業時からの「夢のある安くておいしいお菓子を創造する企業を目指します」という企業理念を 今後も貫き通し、"日本一ワクワクする菓子屋"を目 指していきたいと思っています。
河合 辰信 かわい・たつのぶ
1982年愛知県生まれ。 横浜国立大学大学院修了後、2007年シスコシステムズ契約会社入社、システムエンジニアとして大手製造業を担当。 10年有楽制菓入社。 入社後は工場勤務、商品開発を経て、マーケティング の立ち上げや人事部の立ち上げに関わり、営業の統括も兼務。 18年から3代目社長に就任。
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