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我が家の家計はどうなる? 電力、ガスが相次ぎ値上げ

財界オンライン / 2022年6月8日 15時0分

写真はイメージ

大手電力、ガス会社が利用料金の値上げに追い込まれている。ロシアのウクライナ侵攻によって液化天然ガス(LNG)、石炭などのエネルギー資源の価格が高騰していることが要因だが、資源調達を輸入に頼る日本勢に打てる手は少ない。今夏の電力需給が逼迫する恐れも高まっており、安定的なエネルギー調達に向けた議論が不可避な情勢だ。

 主要各社が発表した7月の電気・ガス料金は、電力で大手10社中4社が、ガスでは大手の全4社が前月よりも値上げとなった。平均的な使用量の家庭の月額料金は東京電力が前月比306円増の8871円、東京ガスが78円増の5886円。電気料金は10社全てが過去5年で最高水準となり、1年前と比べると1~3割の値上げとなった。

 電気料金を据え置いた関西電力など6社も、燃料価格の変動分を料金に反映できる制度の上限額に達しているため、今回は値上げを見送ったというのが実情だ。上限超過分は会社の負担となるため、今後もエネルギー価格が上昇すれば、業績への影響は拡大することになる。

 日本のエネルギー業界にとって、資源高騰に加えて、夏以降の電力需給逼迫リスクも重い課題となる。7月の電力予備率は中部・東京・東北各電力管内で3.1%と、最低限必要とされる3%をぎりぎり上回る水準が見込まれる。経済産業省は休止中の火力発電所の再稼働を促進するなど対応を進めるが、萩生田光一経済産業相は「予断を許さない状況が続く」と警戒感を口にした。

 資源高に加え、老朽化しつつある発電所の故障リスクなどが迫る中、エネルギー政策に関わる金融関係者は「最終的な解は原発の再稼働しかない」と断言する。

 焦点となるのは、やはり7月に予定される参院選だ。ここで岸田文雄首相が支持を得られれば、長期政権への道筋も開ける。関係者の間では「そうなれば、政権を支える嶋田隆首相秘書官(元経産次官)らは原発再稼働の可能性を探る」といった見方も根強い。

 電気事業連合会会長(九州電力社長)の池辺和弘氏は5月20日の定例会見で「エネルギーセキュリティはナショナルセキュリティ」と語り、エネルギーの供給力確保の重要性と原子力の必要性を訴えた。

 ある関係者は「経産省は今夏、電力不足への危機感を醸成するため、電力予備率の低下に合わせた『逼迫警報』などを乱発し、原発再稼働の必要性を訴えるのではないか」とみており、今後は原発再稼働を巡る議論が活発化しそうだ。

【ウクライナ侵攻】識者はどう見る? 日本エネルギー経済研究所理事長・寺澤達也

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