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【変化対応に向け5つの会社を統合】新生サントリー社長に鳥井氏

財界オンライン / 2022年6月13日 18時0分

鳥井信宏・サントリーホールディングス副社長

サントリーホールディングス(HD)が国内の酒類事業を束ねる「サントリー」の社長にサントリーHD副社長の鳥井信宏氏(56)を充てる人事を発表。約13年ぶりに「サントリー」の社名が復活する。

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 鳥井氏は新生サントリーの発足に当たり、「今後ますます多様化する消費者のニーズをいかに早く正確に把握して対応することが全て」と語っていた。これまでサントリーの国内酒類事業では、HDの中間持株会社で戦略立案を担うサントリーBWSを筆頭に、サントリービール、サントリースピリッツ、サントリーワインインターナショナルの3事業会社と営業を担当するサントリー酒類に分かれていた。

 新生サントリー発足で、これらの5つの会社が統合。サントリーHDの関係者によると、「消費者の酒類に対する趣向の変化が著しく早い」とした上で、「1人のお客様が様々なカテゴリーの商品を飲まれるようになった」と酒類市場の変化を分析する。

 分かりやすい事例がノンアルコール商品だ。昨今、健康志向が高まり、消費者が様々なノンアル商品を求めるようになった。サントリーもノンアルコールビールテイスト飲料の商品を投入した後、ワインやレモンサワーといったカテゴリーでもノンアル商品を投入。一昔前のようにビールだけを飲む消費者の数が減り、1人の消費者がカテゴリーをまたぐようになったからだ。

 その際、ビール類はサントリービール、ワインはサントリーワインインターナショナルといった具合に、カテゴリーごとに事業会社が分かれていたことによる経営判断のスピードに課題意識を持っていた。それを解決する手立てとして設立するのが新生サントリーだ。

 新会社の舵取りを担う鳥井氏は創業者・鳥井信治郎氏のひ孫で、飲料子会社のサントリー食品インターナショナルの社長として東証一部上場を実現。2006年にはサントリーのプレミアム戦略部長として主力のビールブランド「ザ・プレミアム・モルツ」のシェアを伸ばす立役者となった。

 サントリーHD社長として8年目を迎える新浪剛史氏は次期社長として鳥井氏の名を挙げており、業界では今回の人事が「HD社長就任への地ならし」(関係者)と見る向きが多い。原材料の高騰といった新たな課題も出てくる中で、創業家出身者の手腕が試される。

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