回復する需要獲得への備え 【ANA】などの羽田国内線が正常化
財界オンライン / 2022年6月29日 7時0分
日本の空が徐々にコロナ前に戻り始めている。ANA(全日空)が2022年7月2日から羽田空港発着の国内線全便で、コロナ禍関連の減便なく全便を当初の便数計画通りに運航する。
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ANAの関係者は「レジャー需要もまだ弱含みで、ビジネス需要も絶好調とは言えないが、上向きになっていることは事実」と語る。同社では国内線の旅客数は、現時点でコロナ前の6割まで回復。7~8月はコロナ前の8割を見込んでいる。
また、国際線ではハワイ路線を再開する。成田―ホノルル線を7月1日から再開し、週2往復で総2階建ての超大型機エアバスA380型機を投入。需要が回復すると見込まれる路線に、いち早く機材を投入していくことで供給体制を整え、機会損失を防ぐ狙いがあるようだ。
例えば、中距離国際線を運航する新ブランド「Air Japan」もその1つ。成田を拠点にアジア・オセアニア路線で23年度下期の就航を目指すが、フルサービスのANAとLCC(格安航空会社)で短距離を結ぶピーチ・アビエーションと合わせた3ブランドでの事業展開を計画している。ANAホールディングス社長の芝田浩二氏は「今後起きてくるコロナ禍からの回復需要の摘み取りを、この3つのブランドで図っていくことになる。気持ちとしては、回復してくる需要の〝総取り〟をやっていくという意気込みだ」と強調する。
他社も同様だ。日本航空も8月以降は2路線を除いて全線を通常運航に戻す。同社は、7月はコロナ前と比べて8割近くに達すると見込む。
ただ、政府の水際対策は厳しく、添乗員付きのツアーに限定されていたり、1日当たりの訪日外国人数を2万人に制限するなど、「本格的な〝開国〟には程遠い」(旅行会社関係者)。
円安で個人旅行の外国人の訪日需要は旺盛と見られるが、その盛り上がりを汲み取れるまでは、まだ時間がかかりそうだ。
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